パリノルール blog

恒例の本の見本市サロン・ド・リーヴルが開催されます。今年は２５周年。今回のテーマ国はロシア。

「Salon du Livre」
３月１８日〜２３日
Paris Expo Porte de Versailles

フランスの出版業界も大変なことになってるようで。

HPのほうでも紹介しましたが、筒井康隆氏がサロン・ド・リーブル出席のためにパリ滞在したときの様子↓
http://www.jali.or.jp/tti/ctti/cttitopi45.html

ちなみに、日本でも雑誌を次々吸収しているアシェット社の親会社は、ラガルデールという巨大軍需企業だったりします。

ラガルデール・グループは2002年時点でフランスの書籍流通の70％（！）を牛耳ってるそうです。ペンと武器の両方持ってるわけですよ。なんか怖いですね〜。さらに出版だけでなく、テレビもラジオも映画ももってます。ホリエモンじゃないですが、フランス第二のインターネット・プロバイダーもすでにもってます。音楽のVirginメガトスアもフランスはラガデールの傘下です。
相関図↓
http://www.hfm.co.jp/company/lagardere.php

なんと、教科書はラガルデールが国内シェア8割だそうです。フランスって、すごくない？
仏ビバンディ・ユニバーサルがラガルデールグループに出版事業を売却

「フランス出版界を襲った異変」
http://www.diplo.jp/articles03/0301.html

軍需企業の大手、ダッソー社はルモンド紙や週刊誌レクスプレスを発行するソクプレス社を買収してます。左翼系リベラシオン紙はロスチャイルド一族が筆頭株主に。
「防衛大手が資本参加へ　経営難の仏ルモンド紙」

2年前に亡くなったラガルデール・グループのドン、ジャン・ルック・ラガルデール氏は「競馬団体フランス・ギャロ（France-Galop）」会長であり、若手アーチストを支援する財団も作ってます。
Jean-Luc Lagardere Foundation
息子は馬に興味ないようで。
故ラガルデール氏の馬遺産、売却か

このラガルデールさんは軍事企業マトラ社の社長でもあったわけで、サッカーのラシン・パリのオーナーでもありました。ラシンとマトラのことは、パリノルールでも「サッカーを観戦する」（104ｐ）でサッカー評論家の佐山一郎さんが少し触れてますので、持ってる方は読んでみてください。

佐山さんによると、マトラの前はダパディさんのおじいさんがラシンのオーナーだったそうです。ダバディさんは日本でアシェットの所属なわけで（今も？　休刊した映画雑誌プレミアのスタッフだったような）、フランスってお金持ち層の横繋がり、強そうですよね。（ダ氏がそうかは知りませんが。てゆーか、業界の7割以上がラガルデールじゃ、繋がらずに仕事できそうもないけど。）

ダ氏といえば川島なお美さんと↓だそうです。
「川島なお美は仏男性と交際中」
←ＨＰおもちでした。

ついでにダ氏のご家族（たぶん）↓
http://www.sardou.com/photos/mariage/m-compos.htm
お父様のJean-Loup Dabadie氏は映画作ったり作詞したり。

で、話戻って、★阿修羅♪によると、以下の人々ってみんな親戚らしいです。

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ＢＢＣ会長と総裁
ＢＢＣ理事
ＣＢＳ創立者
ＮＢＣ副社長
ＴＦ１(フランス)プロデューサー
ＵＰＩ創業者
アシェット会長
アシュット総支配人
イヴニング・スタンダード社主
ヴォーグ重役
エクスパンシオン創業者
エクスプレス社長
エクスプレス創刊者
エコー創刊者
エコノミスト（イギリス）オーナー
エコノミスト（イギリス）重役
エッフェル塔オーナー
エッフェル塔社長．副社長
エル編集長
オブザーバー社主
ギネスブック会長
サンデー・エクスプレス創刊者
サンデー・タイムス社主
タイム・ライフ・インターナショナル会長
タイムス社主
タイムス社長
デイリー・エクスプレス社主
デイリー・テレグラフ会長
デイリー・ヘラルド会長
デイリー・ミラー会長
デイリー・ミラー創刊者
デイリー・メール創刊者
ニューズウィーク創刊者
ニューヨーク・タイムス社主
ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン社長
ニューヨーク・ヘラルド創刊者・社主
ニューヨーク・ポスト社主
ヌーヴェル・エコノミスト総支配人
パリ・マッチ社長
パリ・マッチ重役
ピアソン会長
ピアソン社長
ピューリッツァー賞の父（ジョセフ・ピューリッツァー）
フィガロ社長
フィガロ大株主
フィナンシャル・タイムス会長
フィナンシャル・タイムス社長
フィナンシャル・タイムス編集局長
フランス・テレビ社長
プレス・ド・ラ・シテ社主
ベル・メル・ガゼット社主
マリー・クレール社長
マルコーニ支配人
マルコーニ無線会長
ル・モンド編集長
ロイター育ての親
ロイター社長
ロイター創業者
ロイター総支配人

これがぜーんぶ親戚だってさ
以上「血縁関係で結ばれたマスコミの支配者」

〔参考図書〕赤い楯?ロスチャイルドの謎　下　広瀬隆
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ヨーロッパは一部階級がマジ牛耳ってんだなぁと改めてしみじみします。
吸収合併も話早そう。
これだけ繋がってたらお金儲けも簡単でしょうねぇ。
労働者階級が機嫌悪くなるのも仕方ないというか。

最近快調なフランス経済を牛耳る面々はこちら↓
「台頭する新たな産業エリート群像」
←ラガルデールの現トップ

フランスの企業トップが得ている報酬は最低賃金の約500倍だそうです。日本は？
「米国経営者に匹敵する報酬を得ているフランスの経営者」
駅の窓口係とかが不機嫌になるのも仕方ないよね。

ついでに、前に拾ったままエントリーし忘れてたこんな記事↓もここに載せときます。
対談　今北純一×梅田望夫「欧州の真の力強さとは何か」
↑フランスの庶民はジェラシーを持たないんではなくて絶望してるんでは？という気がするけど。こんな状況じゃ嫉妬してたら体もたなさそう。「よき奴隷たれ」的なこと言われてもなぁ……と思うのもジェラシーて言われちゃうかな。

ネットの発達で、別の階級が何してるのかわかるようになると、フランスも別の哲学が必要になるかも。

関連過去記事
http://www.fr-dr.com/paris/archives/2005/02/09132453.php
http://www.fr-dr.com/paris/archives/2005/01/19233102.php

追記
昨年秋にこんな記事が↓
「パリ通信 　フランスの出版界は大揺れです」

ちょっと古い記事ですが↓
「本は“裸の王様”なのだろうか 」
部数とか状況とか、フランスの出版界って日本と似てるような。

＜追記＞
この古くて地味な記事に突然アクセス増えて、ナニゴト？と思ったら、エルレガーデンがフィリパッキに訴えられて負けてた。
エルレ・ファンの一人としてはヒドイな〜とも思ったけど、販売禁止になったのはバンド名が2行になったグッズだけらしいので、なるほど、と。
よく考えたらすごい宣伝になったわけで、これが海外でも報じられたりしたら、もーすっごい莫大な宣伝費なわけで（訴え自体がエルレの釣りなんじゃないか？なーんて言われかねないくらい）。
ま、これを機に、さらに世界でブレイクしてほしいもんです！
（「エルレガーデン」ってカタカナでグッズ作ったほうが今どきの海外ではカッコいいと思いますし）

Posted by 7NT-RDBL at 2005/03/15(mar) 03:13 AM　[パリで開催 , 本・雑誌 ] | |