レーモンド展&井上邸もう行きました?
神奈川県立近代美術館で前にやっていたレーモンド展が高崎に巡回、終了まであと10日近くになりました。近美に行った方も行ってない方も、高崎展では、麻布にあったレーモンド自邸の写しである井上房一郎邸と、レーモンド設計の音楽ホールも同時見学できるので、未見なら終わる前にぜひ。
レーモンドはチェコ人ですが、奥さんのノエミさんはフランス人、井上房一郎さんもパリで8年間絵を学んだというフランス通です。
「アントニン&ノエミ・レーモンド展 建築と暮らしの手作りモダン」
高崎市美術館、〜5月25日(日)まで。
井上邸(高崎哲学堂)は美術館の隣。
群馬県立近代美術館では磯崎新展も開催中。
ノエミさんは確かマルセーユ辺りの生まれで、
イタリア→アメリカ行きの船上でレーモンドと知り合い、結婚。
コルビュジエとペリアンのように、レーモンド建築のインテリアはノエミさんが担当。
お弟子さんの話では、物静かで飾り気がなく、レーモンドに献身的な人だったとか。
↓井上邸の卓上ランプ(展覧会ではキレイになってると思われ)。
右側に写ってるのが井上さん↑
高崎の大きな土建屋さんの息子さんで、
パリノルールでもマッピングしているパリのグラン・ショーミエール通りの
有名なアトリエ(Academie de la Grande Chaumiere)に通い、
まさに20年代華やかなりしパリを満喫してきた方のようです。
(ちなみに、お父さんはあのデカい高崎観音を建立)
パリの薫陶から、高崎にヨーロッパ並みの文化施設をと、
レーモンドで音楽ホール↓、磯崎新で近美を市民の募金で建設。
哲学堂もこの2人に設計依頼をしたものの募金が足らず、断念。
(磯崎さんのこのときの設計コンセプトは現在の水戸芸のタワーに引き継がれてます。)
のちに、このときの募金を原資に、
井上邸が売りに出されたのを市民団体が買い取り、「高崎哲学堂」と名づけて公開。
現在約2億円!の借入金を返済中とか。
井上さんはブルーノ・タウトの世話をした人としても有名ですが、
タウト日記で所詮“お金持ちのぼんぼん”的なことを書かれてしまい、
なんかかわいそうなんですが、審美眼についてはタウトも認めてた模様。
まあ、スボンサーとアーチストというのはしばしば愛憎半ばするもんなんでしょう。
レーモンドはスラブ系のせいか、
プライベートではお酒の好きな陽気な人だったそうで、
井上さんとも仲良くやってたらしいです。
Antonin Raymond Travel Exhibition
高崎は、タウトが日記でベタ褒めしている少林寺の洗心亭や、
文化財の豊田屋旅館(ランチがおいしいらしい。要予約)、
隈研吾さんの駅前西駐車場などもあって週末のお散歩に楽しいかと。
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です。