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10月10日(火) 今日は午前中はサン・ルイ島見学の予定だったのですが、いつものように20分ほど集合時刻に遅れてしまい、到着したときは集合場所にはやっぱり誰もいませんでした。シテ島のときのように追いかければ会えるかも、と思い狭い島をぐるぐると何周かしてみたのですがそれらしい人々は見あたりません。ということで今日はサン・ルイ島見学諦め。それらしい史跡や教会は一応歩いている間にチェック入れてみたのでよしとしましょうかねえ。 なので空いた時間をヤノベケンジの個展を見に行くことに振り替えました。ヤノベ氏は自作の放射能防御服「アトムスーツ」を着込み、チェルノブイリやら大阪万博公園やらいろいろな所に行って写真を撮ってくる作品で知られています。展覧会はチェルノブイリに行った時の写真と、その時のスケッチ、インスタレーション等で構成されておりました。現在チェルノブイリはロシア政府によって永久に立ち入り禁止地区とされていますが、故郷を愛する老人達は政府の警告を無視して事故現場近くに帰ってきており、事故前と同じような普通の生活をしています。放射能の危うさを承知しておきながらも敢えて帰郷し変わらぬ日常を送っている彼らと、頑丈なスーツに包まれ、おもいっきり安全なままのヤノベ氏との交流の記録はなんだかとってもほろ苦く切ない気分になってきます。「住み慣れた土地」の持つ引力というのは、住めば住むほどに強くなっていくのでしょうか?非常に考えさせられる展示がいっぱい。汚染された土地をシャボン玉で浄化しようという「シャボンプロジェクト」、とても面白い計画ですなあ。でもでも画廊でシャボン玉をまき散らすと床がぬるぬるになってしまいます。滑りそうになってしもたよ。 この個展は13区のGalerie Emmanuel Perrotinという画廊で開かれていたのですが、画廊があるrue Louise Weissという通りは100mくらいの小さな通りであるものの、現代美術専門ギャラリーがぼこぼこと7つほど連続して軒を連ねており非常に面白いです。どの画廊も知らない人ばっかり取り扱っておりますが、非常に刺激的な内容のものばかり。画廊を一つ一つ丹念に訪ねていたら午後の授業もちょっと遅刻してしまいました。はあ。 10月9日(月) 午前中は学校が休みだったので映画を見に行くことに。朝一番の映画は29フラン(450円くらい)で見ることができるのです。さすが映画の国でありますなあ、早起きも辛くなくなる。「ヴァージン・スーサイズ」を見に行ったのですが、やっぱりさっぱり「virgin」の発音は難しい。チケット売り場で聞き取ってもらえず非常に悲しくなりました。唇を噛んで「V」、下を後ろに巻き込んで「R」、きちんと出来るようになるのはいつのことになるやら。微妙な年頃の年子の5人姉妹が、末っ子の自殺をきっかけに人生のいろいろな歯車が次々と狂っていくという物語であります。AIR(もちろんエール)の音楽たまらん、 さてさて「セリフが英語で字幕がフラ語だったら、二つの語学を一度に学べて一石二鳥」だと思ってこの映画をみたのですが読みが非常に甘かった。英語を聞き取ろうとすると字幕を読んでる暇なんて全く無くなってしまうし、字幕を読もうとするとセリフを聞きとっている余裕が無くなってしまうし、とにかく非常に忙しい。聞き取れなかったり読みとれなかったりする部分が多数あったにもかかわらず、非常に切なく胸にキュンと来る映画でありました。多分セリフを全部理解できていたら更に切なくなれるのに。。。フランスに来て英語の出来ないことを悔やんでいます。 学校で週末の行動について質問されたので、昨日の試合のことを話したら「あら、引き分けなんて日本のサッカーも強くなったんじゃない」と言われてしまった。むきーーーー 学校の帰りに日本人専門観光会社で面接。採用の合否は学校の終わる12月になってからとのこと。会計の仕事は経験がないので多分ダメだと思うのですが、職に就ける可能性は出来るだけ沢山広げておきたいと思いましての記念受験です。やっぱり事務職はPCが必須なんですね。12月までにエクセル練習しておかなくちゃなあ。 ところで、今日になってようやく美味しんぼの原作者のお詫び文が掲載されているスピリッツを読むことができました。遊美&陽士の離乳食に蜂蜜と半熟卵が使われており、そのことに対して読者がクレームをつけたみたいです。1歳にならない赤ちゃんに蜂蜜食べさせてはいけないことぐらい私でも知っているのに(半熟卵もダメというのは初めて知りました)、雁屋ったらまあ「私の子供達はこれを食べて平気だったが今の子供達は弱くなったみたいですなあ、お詫びしておきます。今の子供達は食べちゃだめだよ。でもでも僕の子供達は元気に育ったよ」という訳の分からないコメントを残しており笑えます。プロレタリアな消費者のクレームには形だけでも速やかに頭を下げるのに、サントリーのような搾取する(ように見えるらしい)大企業には断固として前言撤回しない雁屋くん。こんなに毎回もめ事おこしていたら究極のメニューなんていつになっても完成しないよう。 10月8日(日) PSGvs日本代表の親善試合。サッカーの試合を生で見るのは生まれて初めてなので緊張しております。場所はPSGのホームグラウンドのパルク・デ・プランス。素晴らしく大きく綺麗なスタジアムです。中に入って席について感動、めちゃめちゃ良く見える!今までテレビでしかサッカーを見たことがないので、サッカーというものは常に斜め上から見るものだって感じだったのですが、この席は真横から選手達を見ることができるのです。選手の表情も視力さえよければバッチリ堪能できる席です。周りを見回すと日本人とフランス人が半々、フランス人は子供連れが多いですね。ゴール裏の安い席はいわゆるフーリガンな人たちが陣取っているため、活気に満ちあふれた魚河岸のような雰囲気です、「PSGタオル」みたいなものをみんなで振り回していたり、選手に向かって広げてかざしていたりします。そこまで熱くなれるなんてすごいですなあ。 親善試合なのでお金にならないのでしょうか?この会場、大きなオーロラビジョンが沢山ついているのに今日はスイッチが入っていません。スタメンの発表もしてくれません。なので目の悪い私には、グラウンドにいる選手達が誰なのか全くわからないのです。そもそも現在の日本代表って誰なんだ?そんなレベルでサッカー観戦なんかしちゃって大変申し訳ないんですが、分からないんだからしょうがない。とりあえずキーパーが川口で10番が名波だというのは分かるのですが・・・ 生で見て初めて分かることは多いですねえ。まずグラウンドの大きさ、サッカーってこんなに広いところでやってるんですねえ。テレビっ子はいつもブラウン管のサイズでものを考えてしまうからいけません。そして選手の体格差。スポーツ選手は日本人の中でもかなりいい体をしているはずなのに、フランス人サッカー選手とボールを取り合っている所を見ると、まるで大人と子供がじゃれ合っているかのよう。テレビで斜め上からの視点で見ると彼らは同じ大きさに見えるものなんですが、横から見るとその差歴然。物事は実際に見に行かなくては見たことにならないんだなあ。 試合は前半は日本が押し気味。森島(ゴールしてくれたのでアナウンスで漸く分かった)が先制点。後半はなんとなく押されっぱなし。このままもう一点という感じで前半終了。が、後半からなんかいきなりPSG強くなった。日本が攻められハラハラする場面が多くなり、攻撃も今一歩。中村も柳沢も小野も後半から入ったというのになかなか攻めに行くことが出来ず、ついに残り3分でゴールを決められて引き分けにされてしまった。んでそのまま試合終了。なんということだ、逃げ切れていたはずなのに。ツメが甘いというのはこういうことなんだ、こんなんでアジアカップを乗り切れると思っているのか!え? と選手の名前も全員言えないくせに憤ってしまいました。んでもサッカーって楽しいんだねえ。今度は(あるのか?)選手の名前を覚えて試合を観戦したいものです。PSGの試合も安いんだから見てみたいものです。帰り道に沢山の警官が出動していて怖くなりました。引き分けに持ち込めたので暴れる人は少なかったようですが、日本が勝っていたらどうなっていたのかしら、おー怖い怖い。 んで、ホテルに戻ってパリスコープ(フランス版ぴあ)をぱらぱらと眺めていたらこんな記述が。 漫画グルーヴ・・・なんじゃこりゃ。Koji Morimotoってブロスに連載していた森本晃司と同一人物?つーことはvisual rockっていうのはグレイのあのどうしようもないビデオシングルのこと?その他にはどんなものがかかるのかな?セバスチャンも来るのかな?現代アート好きも来るのかな?友達百人出来るかな?謎と好奇心はどんどんふくらんでいきます。 しかもDim 8 って今日じゃん。21hってもうすぐじゃん。MCM cafeって結構近所じゃん。gratuitsって無料ってことじゃん。いかなきゃ損じゃん。ということで、ホテルから夜の町を走り抜けManga Grooveなるイベントが開かれているカフェを目指すことにしました。もちろん遠くから見て、一人でもコスプレがいたり、やばい人を発見し次第直帰です。フランスのオタも気にはなりますが、よくJUNKUや文化堂にいるのでそれほどお近づきにはなりたくありません。 さて、ようやく現地到着、しかしカフェとは名ばかり。めちゃくちゃでかいガラスのドアには紫色のカーテンがかけられ、中の様子を垣間見ることができません。あんまりパリの建物って感じではないですねえ、ヴェルファーレが一番感じが似ているといいましょうか。いわゆる「高級な遊び場」って感じです。客層が気になりますが外で待っている人もいないし、中にどれくらいいるのかも分かりません。これは中に入ってみなければ分からないのかしら・・・・ 意を決して中に入ろうとした私の目に飛び込んできた張り紙、そこにはcharge=100FRFの文字!ドリンクのチャージが100フラン(=1500円)!貧乏な私には払えません!パリスコープには無料と書いてあったじゃないか!うそつき!パンがないからってお菓子を食えなんて言わせないぞこのやろう!この調子だとドレスコードも飛び出して来そうだぜ!ふう、ぷんぷん怒ってもしょうがないので冷静になって考えてみました。100フラン払えば、「もしかしたら」面白いイベントを見ることが出来る・・・けれども、さっきあんなに興奮したサッカーと同じ額払って同じだけの感動を味わうことができるのかしら?飛び込みで入ったイベントが内輪向けの世界だったときの自分の寒さを思い出してみようよ。それのフランス版だったらどうすんのさ? 寒い中通りで自問自答一問一答してみましたが、答えはやっぱり「今日はやめておこう」。とっても気になるイベント名でありましたが貧乏人には高すぎる。サッカーの余韻で3日はご飯が食べられるんですもの、一日にそんなに興奮しちゃいけないよな。ということで、とぼとぼと背中を煤けさせながら歩いて帰りました。 10月7日(土) 学校お休み。なので久しぶりにゆったり起き出し、6ちゃんねるでやっている「HIT MACHINE」というフランス版CDTVを見ながら朝食。この番組を見るとフランスはユーロビートとHIP HOPの国なんだということを痛感します。この頃がんがんテレビでかかっているのはPASSIという人のHIPHOPな曲、なんとなくゼブラっぽいなあと思います、つまんねえなあ。まあ日本の地上波の音楽番組もこんなもんなので期待してもしょうがないのですよね。面白い音楽はきっとどこかにあるはずなんだけど、それがどこにあるのかまだよく分からないよ。どこにあるのだろう? 午後はシャンゼリゼ大通りにあるパリ・サンジェルマン(PSG)のショップに明日の日本戦のチケットを買いに行く。にわかにサッカーに興味を示したのであんまりよく分かりませんがこのチームはかなりの人気チームで強豪のようですね。んでもって、一番安いチケットは30フラン(450円)からありましてびっくり。こんなに安く買えちゃうんだ。安全と見晴らしを考えてちょこっと高い席を買ったのですがそれでも100フラン(1500円)ですもの。日本の物価がいかに高いかということですなあ。 夕方からマダムのお宅で夕食の準備。今日は6人ほどいらっしゃるということなので(マダムは人をもてなすのが大好き)、ラクレットというサヴォア地方に古くから伝わるチーズフォンデュと焼き肉を足して2で割ったような料理を作ります、その仕込みの手伝い&マダムによる近所のお店やさん案内で少し経験値を稼ぎました。マルシェの中にも品揃えの違う八百屋さんがあったり、値段の違う魚屋さんがあったり。食材をマルシェで買うときはいろいろな店を見てから買う店を決める、これが買い物上手&料理上手になるコツのようです、面白いが難しい。 上下2段式になっているホットプレートのようなラクレット鍋は、上の段で肉などを、下の段でじゃがいもとチーズを暖めてみんなで食べるという、フランス版鍋料理。フランスで「みんなで食べ合う」という行為は非常に珍しいものだと思います。チーズフォンデュはパンしか食べないので途中で飽きてしまうことが多いですが、この料理はチーズに飽きたら肉や野菜を食べればよいので気楽でよいです。生まれて初めて食べた料理ですが、チーズと芋が好きな私にはぴったり。是非また食べたいものです。 また食事の最中にいろいろ伺ったのですが、パリは日本の新興宗教がバリバリ進出しているそうで気を付けなければならないとのこと。有名どころは全部パリに支部を持っており、勧誘もかなり強引なもんであるそうな。異国に来て不安なところにつけ込まれたらすぐに引っ掛かりそう。気を付けなければなりません。 10月6日(金) 今日から新しい鞄で登校。これは昨日地下鉄で偶然向かい合わせで座ることになった私と同じ学校に同じ日に入学した某元女子アナの通学鞄がエルメスであったことにショックを受けたためではありません。今までの通学鞄は日本からPCを運ぶために持ってきたものであり、そのため鞄自体が非常に大きくて頑丈で重かったからなのです。決して元女子アナの姿形にジェラシったわけではないのです、自然の流れなのです、ほんとなんです。それにしても私の通っている学校は安いということで有名なのに、エルメスの彼女はどうしてこの学校に入学してきたのでしょう?不思議で不思議でしょうがありません。もしもう一度彼女の近くに座る機会があったら小倉ヅラ昭のことをどう思っていたのか、婚約者とはどうなってるの?赤丸君登場!という質問とともに尋ねてみたいと思います。 今日の文明講座は「パリの歴史」。今のパリが如何様にして出来たかという、非常に面白い講座です。現在のパリの町並みはオスマン氏という方が思いっきり区画整理をして出来たものだと聞いており、その区画整理による町&カフェの繁盛が印象派誕生の遠因となったと聞いたことがあります。今日はまだナポレオンのおかげでオベリスクがフランスに送りつけられたところまでしかやらなかったのですが、そのうちそんな話になるんじゃないかしら、非常に楽しみです。それにしても私だったらあんな大きなもの絶対貰いたくないです、大きいし邪魔になるし。貰ったものをちゃんとそれらしく飾り付けしてモニュメントにしているフランスってえらいなあ。 放課後はカルチェ・ラタンをぶらぶら。ああ、やっと学生らしくなってきた。本当だったらこの辺に住んでみたかったのですが、世界中の人が同じことを考えているので家賃は高めだし物件も少なめ。でもパリは小さいので毎日通えますね。この辺は学生街兼食べ物の町兼中世からの教会が沢山ある歴史の町であります。小さい路地がたくさんあり、歩いているだけで楽しい町であります。目的もなく歩いていたらサン・ジュリアン・ポーブル教会というマイナーな教会にたどり着いたので入ってみることにしました。中世の建築物は窓が小さめなので(壁に大きな穴(窓)をあけると壁が屋根の重みに耐えられなくなってしまうため)とても薄暗く、だからこそ窓から差し込む光がより一層神秘的なものになります。予備知識ゼロで入ったためこの教会の歴史が良くわからないのですが、薄暗い光に照らされたキリスト像は非常に荘厳でありました。いたるところに教会があるっていうのも面白いもんですなあ。 10月5日(木) 学校に行く前に早起きして口座作りに銀行へ。騙されかけて、持っていたトラベラーズチェックを全部現金化してしまったため、毎日大金を盗まれやしないかと不安で不安でしょうがなかったのです。日本と違いフランスでは、口座を開くなどの手続き系の業務は必ず行く数日前にアポイントメントを取って置かねばなりません。また、口座を開くのにはパスポートの他に、大家さんが書いた居住証明(私の場合はまだ住んでないけど、住んでいるということにしてもらいました)、大家さんの身分証明、大家さんが払った公共料金の領収書、などが必要になってきます、不便なものです。 しかしなんと、今回伺ったクレディ・リヨネ銀行ピラミッド支店は日本人が二人勤めており、フランスの銀行の仕組みや口座の体系等を分かりやすく日本語で説明して下さるのです。大金が絡むときは無理をしない方がよい、と先日身をもって学んだ私にはありがたいことです。1年のみの滞在なので相談の末、利息のつかない当座預金(compte depots)だけ作ることにしました。とにかく大金が自分の手元から離れたので一安心です。 その後文明講座へ。今日は「美術の歴史」、今までの中で一番面白くて、全部聞き取れて理解することができましたよ。やっぱ美術は楽しいねえ。今日はマネと官展のお話、マネの描いた「エミール・ゾラの肖像」内には歌麿の絵が登場するのですが、先生がずっとその作者のことを「UTAMARU」と言っていたのが非常に気になりました。「UTAMARU」といえば桂歌丸のことしか思い浮かびません。桂歌丸といえば連鎖的にコージー冨田が出てきます。私が異国で動詞の活用を一つ一つ覚えているとき、コージーは新たなものまねを活用しているのですね。私も女房がへそくり隠すところを見てみたいし、コージーの新しいネタを見てみたい。コージーがつぶやきシローのように、たった一年で飽きられてしまって帰国したときには消えていたらどうしよう。こんなことばかり考えているから語学が上達しないんですよね。分かってはいるんですが・・・ 語学の授業では、アラブのマダムの隣に座りました。マダムはノートを取るとき、フランス語は左から右へと普通に書くのですが、その横に加える母国語は右から左へ書いています。あちらからしてみれば当たり前のことなんですが、なんだか面白くて失礼なんですがずっとノートを取るところを観察してしまいました。 10月4日(水) 水曜日はかなーりハードなスケジュール。10時30分から12時までは文明講座(フランス文学の歴史)、12時から13時30分までまた文明講座(フランスの王様の歴史)、14時から16時まで語学講座、となっております。久しく学生をやっていなかったので体力的にも精神的にもへろへろ。頭に栄養が足りてないのでふらふら。朝はしっかり食べていかないといけないよねえ。 文明講座とは「語学以外のフランス」を学ぶ授業であります。大学の講義のように、大勢の生徒が一カ所に集められ先生が一方的に講義を進める形式(もちろん欧米出身の生徒達は授業中積極的に質問します)。「ピピンの寄進」とか「シャルルマーニュ」なんて単語を聞いたの高校3年生以来、懐かしい単語に脳味噌が踊ります。フランスの子供達がみんな歌ってるという「シャルルマーニュのせいで覚えることが増えた〜 ぜんぶおまえのせいだ〜」ってな内容の童謡を教えていただきました。そうかそうかそうなのか。カール大帝はいろいろしでかして多くのフランス青少年に恨まれてしまっているのですね。彼がもう少し子育てが上手で、子供達が遺産争いで国を分割することにならなければ、そこまで恨まれる必要もなかったかもしれませんなあ。つーか童謡の中でも責任転嫁、さすがフランス。 帰り道はへろへろしすぎて道に迷ってしまいました。真っ暗な道は異国だと怖さ256倍、寿命が縮まりましたよう。 10月3日(火) なんということでしょう。午前中は課外授業でシテ島見学(現地集合)の予定だったのですが、私ったら集合時間を勘違いして30分も遅刻してしまったのです。当然のごとく集合場所には誰もいません、20分ほど待って漸く気づいて皆の後を追いかけるも、追いついた時には既にノートルダム見学は終わっており、先生のまとめの挨拶が始まっているところでした。しょっぱなから出遅れてしまったよう。くやしいよう。 そんでもって大衝撃。私ってば昨日はオリエンテーションだけだと思って面接が終わったらすぐに帰ってしまったのですが、なんと昨日の午後から授業は始まっていたんですって!授業を初日から欠席してしまうとは、なんと不真面目な学生さんなんでしょう。みんな仲良しになっていたらどうしよう。自分のあまりのふがいなさに涙が出てまいります。人の話はちゃんと聞いておかねば・・・ んで、(私にとって)授業初日。韓国、中国、コロンビア、メキシコ、イラク、ロシア、などなどいろいろな国のいろいろな年齢の方々が15人くらい。日本人は私を入れて4人、クラスの雰囲気はまだまだぎこちない感じなので一安心。さらに私と同じ間違いをしたイタリア人いてもう一安心。よかったよかった。 先生は小錦や森久美子の系統のゴスペルマダム。とにかく3時間ぶっ続けで喋りまくりの元気な方。授業はとっても簡単な文法から始まったので、なんとか聞き取ることができました。でもでもやっぱり会話。先生に質問されても頭の中に日本語で言葉が出てくるのに、それがフランス語になって出てきません。なんとか口から出るのは単語の羅列ばかり、言いたいことや伝えたいことはたくさんあるのにどうしていいのか分からない。先が思いやられます。これからいったいどうなるんでしょうかねえ。 夜はマダムに招待されて入居予定のアパートでディナー。今日はサラダにスパゲッティとアラブのソーセージとワイン、豪華すぎて涙がでてきます。しかも量が多すぎて食べきれなかったので、マダムは残り物でお弁当を作ってくださいました。うわーいうわーい。明日の食費がちょっと浮きました。 10月2日(月) 今日から学校です。3ヶ月ほどでどれだけの語学力がつくかはよく分かりませんが、まあなんとか頑張っていこうと思います。レベル分けのテストをしてから、先生と個別面談。そこでやっと気づいたのですが、私ったらかなり忙しいコースを選んでしまったみたいですね。私は勝手に「午前中授業で午後バイト」にしようと思い込んでいたんですが、「午前中は1時間半授業、午後は3時間授業」だそうです。うーん、みっちりみっちり。「何とか午前中に授業をまとめることはできないか」と聞いてみたのですが、「そんなん無理」と一蹴されてしまいました。まあ、お勉強だもの、しょうがないよね。頑張ることにしよう。 そんでもって、フランス語の教科書を買ったり、ノートを買ったり、カルトオランジェ(定期券)を買ったりしていたら、なんだか楽しくなってきました。新学期気分なんて何年ぶりなんでしょう。授業の始まりと終わりには鐘がなったりするのでしょうか?明日からが楽しみです。 10月1日(日) ホテルをチェックアウト。延泊を希望していたのですが、凱旋門賞やら春夏コレクションやらでパリのホテルは今が一番の繁忙期。既に予約がいっぱいで、私の入り込む隙間はないとのこと。しょうがないので、今度住むアパートのマダムの紹介で、もう少しリーズナブルでバスタブもあるという、マダムのアパートの裏にあるホテルに移ることになりました。長期滞在なので更に割り引いてもらえたよ、お部屋もとってもキレイでバスタブがついている、わーいわーい。 し・か・し・・・「電話もテレビもある」というホテルのその電話は、壁に埋め込まれている古式ゆかしい電話でありまして、モジュラージャックがついていないのです。つまりネットが出来ない!そしてそして、部屋のどこを探してもコンセントがないのです。つまり電化製品が使えない!前のホテルで電話代が1万円超してしまったことに対するバチが当たったのでしょうか、マダムは「いつでも電話は貸すよ」と言ってくださっておりますが、あんまりご厚意に甘えるのもなんだかなあだし。しかし一番の問題はCD聴けないということなんですねえ。ケチってウォークマン持ってこなかったんです。今まで現実逃避したくなると、PCにヘッドホン突っ込んで没入していたのですがこのホテルではそれができない。非常に困りました、まあ悩んでいてもしょうがないので、別の現実逃避の方法を考えることにしましょう。 午後からマダムのお友達のご招待で、ルーブルの下で開かれているアンティーク・宝飾見本市なるものに言って参りました。カルティエやらヴァンクリフやらの一流の宝石店が「この日のためにつくりました!」といった感じの気合いの入った宝石類は、一目見ただけでクラクラしてしまうほどの眩さ。あんなに大きなダイヤモンドを見るは生まれてはじめてで、これが多分最後かと思われます。ダイヤって重さはどれくらいなんでしょう?小梅ちゃんくらいの大きさのダイヤが何十個もついている首飾りとかって、身につけてて肩とか凝らないのでしょうか?私にはご縁のない世界でありますが、大変参考になりました。ブリューゲルなどが売り物になっていてびびりました。その場で商談が成立しているのを見て更にびびりました。世の中にはものすごい方々がいるものなのですね。 |