にっき
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11月20日(月)
 
今までのあらすじ

語学学校に通いながら就職活動をしている筆者は、今のところ小さな会社のHPの更新作業を週に2〜3回こなしているだけ。もっともっとちゃんとちゃんと働きたい!そのような思いからか、いくつかの会社に履歴書を送ってみたり、面接をしてみたりするのだが、芳しい返事は今のところまだゼロ。やっぱり職歴もスキルもないと雇ってもらえないよねえ、、、と落ち込んだフリをしながらも、とある情報系サイトのボランティアスタッフ(制作部門)になることができ、「よっしゃ、ここで技術盗んだるでー フォトショップ6.0も落としたるでー ついでにファイルメーカーも・・・」と関東生まれ関東育ちのくせになぜか浪花節、まるで中山エミリみたいで周りから煙たがられています。そして異国とはいえど犯罪は犯罪、ちゃんとソフトは買いましょう。

さて、そんなわけで今日からボランティアながらWEB制作のお手伝いです。一発目のお仕事は細々とした画像のリサイズ&WEB用に保存し直す作業、この作業を約150回ほど繰り返します。こんな面倒くさいことを毎日のように繰り返しているなんてプロの人は大変なんだなあ。使用するソフトはフォトショップ5.5。まだ日本からフォトショップ6.0が届かないとのこと、もう少ししたら会社のソフトを全部バージョンアップするとのこと。いえいえそんな0.5の違いぐらい素人には分からんと思うんですよ、バグがあるかもしれないからもう少し後になってからでも買うのは遅くないと思いますよ、と言いたいのですが、やっぱり大きな声ではいえません、そんなもんですよね。んでもって、お金持ちでちゃんとした会社だけあって、全てのソフトが正規ユーザー登録されてましてびっくりです、当たり前なんですが尊敬してしまいます、著作権に対する認識が本当に甘い私です。
んで、フォトショップは今まで4.0しか使ったことがなかったので、微妙な使い方の変化に戸惑います。フォトショップ自体もそーんなに使っていなかったので、専門的な用語やマニアックなショートカットなど知らないことばかり。同じようなルーティンワーク作業だったら先に作業をコンピューターに覚え込ませとく、という技をがあるのですね、本日初めて知りました。世の中のプロの人は日々無駄な時間を縮めていくのだなあ。 なんてしみじみしてしまいます。ちまちまちまちまちまちまちまちま作業すること4時間、気が付いたらもうスーパーが閉まりそうな時刻、そういえば夕食の材料がありません、なのにノルマの半分も出来ていません。。。。。私の仕事ってばこんなに遅かったなんて・・・ やっぱり与えられた仕事をこなせないのって、かなり気分が凹みますねえ。凹みながらも食欲を優先させてしまいました。仕事を途中で切り上げて自分のふがいなさを噛みしめながら家路に急いだのであります。ああもっと早く作業ができるようになりたい・・・



11月19日(日)
昨日からなんとなくクリスタル気分なのでバスティーユにある大アンティーク市に行ってみることにしました。こっちのアンティーク市は日本のデパートでやっているような催し物とは大違い、売り手もお客もみんながみんな余裕ぶりながらも目が血走っています。バスティーユの広場からセーヌ川サン・マルタン運河沿いにどこまでも並ぶブースの列。沢山のお店があるというのに品揃えは皆違って、んまあ本当に夢の世界っすねえ。20世紀初頭頃につくられたっぽいアクセサリーだけを売っているお店がありまして、ちょっと断食すれば買えてしまう価格なんです。いやあ、どうしよう、困っちゃうねえ、断食いやなので買いませんが。ミドセン家具も中目黒近辺ほどでは充実しておりませんがお手頃な価格でころがっており、これもしばらくの間断食すれば手に入ってしまう価格設定。食べるの好きなので買いませんが。日本だとアンティークものはもの凄く高いので、買う気なんてまったくおきないのですが頑張れば買えてしまう値段というのはよくないね、無駄に迷って時間を浪費してしまうんだもの、目の保養と自分に言い聞かせるのはいろいろと面倒くさいものです。でもその迷う時間も楽しいものだ。
んで家に帰ってネットサーフィンってやつをしてみたら、日本にもの凄く面白い芸人「鉄拳」という人が彗星の如くあらわれたそうではないですか、いろいろな所で大騒ぎになっておりますよ。しかも鉄拳という人はタモさんネタを得意とするそうで。視聴者からの報告を読んでいるだけでも面白さ爆発という感じでしょうか。早速いろいろと探し回って鉄拳さんの動画ファイルを入手。
「タモリうしろ、タモリうしろ、タモリうしろに志村ー 上にいかりやー」とか
「タモリ→宇宙→銀河→タモさんとメーテル」とか
とにかくタモさんの愛に満ちあふれてたネタで、涙がでるほど暖かい気持ちになりました。コージーを初めて見たときと同じくらいの衝撃です。本気で日本に帰りたくなりましたよ。彼の他のネタも是非見てみたい今日この頃。日本も彼のような面白い人がいるならば安泰でしょう。


11月18日(土)
月曜日にお邪魔したパリの情報系ページのボランティアの方々の集まりに参加してみる。ちょっと遅れていったら白熱した議論の真っ最中で毛穴という毛穴が引き締まりました。「人の集まるサイトとは」「人のニーズに応えるには」「人が知りたいことと自分の伝えたいことの間とは」と、まるで広告代理店の会議みたい、ゆくゆくは「一日5万ヒット」を目指されるそうで。はあああ、なんだか自分とは全くかけ離れた世界の話に聞こえてきます。かつての会社をそば焼きに書かせないどろソースと例えるならば、ここはウスターソースくらいのドロドロさ加減しかないのですが、久々に見る世界なのでなんだかクラクラきちゃいました。なのであんまり話聞かずにアートディレクターさんが持ってきた自作サイトマップばかり見つめてていました、美しい。世の中の人はこうやってWEB作る際にフローチャート作るものなのですね、そして小道具もこんなにも美しく仕上げるものなのですね、やったらめったらソースぱくるなんて人のする事ではないのですね。もう目から鱗がぽろぽろぽろぽろ落ちてきて辺り一面銀世界。「見る人の目線が〜〜」だなんて、改めて聞くともの凄く大切な事のように思えてきます。やっぱりプロの人のお仕事は見るだけでタメになりますね。デジタルハリウッドに体験入学するよりタメになったような気がしました。
んで、ありがたいお話を聞いてからもう一つの会社でお世話になっている方のお宅を訪問。秋刀魚の塩焼きを戴きました。久々の白いご飯に久々のお漬け物。秋刀魚と大根下ろしにボジョレーは合いますね。とにかく美味しゅうございました。んで、自宅のパソコンのセッティングを手伝ったご褒美に(壁紙を渡辺篤史にしようとしたら嫌がられてしまった)、オークションで落としてきたというバカラのすんごい昔のクリスタルを見せていただきました、ここのお宅の奥様はオークション職人さんなのです。んまあ、なんともすごい!私が京極老人だったら持病の糖尿が悪化してあっというまに失明してしまいそうなほどにすごい。昔のバカラはバカラ美術館でしか見たことがなかったし、今のバカラだって勇気を出してデパートのコーナーに足を踏み入れ、理由もなく息を止めながらじっくり見ていただけだったのです。至近距離で見ることが出来るだけでドキドキしてしまうのに、それをまあ、触ることまで出来てしまうなんて!一生に一度のラッキーデーかもしれません。間近で見ると職人さんが少しずつ削っていった跡が見て取れます。微妙に線がぶれていたりするのが、機械で掘るガラスと違って柔らかさが出てよいのですよね。はあ、いつかこんな食器達に囲まれてみたいものです。鱗が取れて乾燥気味の目にいい栄養になりました。



11月17日(金)
M6awardsという6ちゃんねる主催の音楽賞の発表の日であります。フランスの貧乏な家庭のテレビには1ちゃん、2ちゃん、3ちゃん、5ちゃん、6ちゃん、と5種類しかチャンネルがありません。4ちゃんねるはWOWWOWのようにデコーダを入れないと見ることができないし、5ちゃんねるは貧乏なので一日の半分だけしかフランス語の放送をしてくれません(残りの半分の時間はドイツのテレビ局に早変わり、ドイツの番組を放送して字幕でフランス語を流す)。そんでもって2ちゃん&3ちゃんは国営だし(国営だからこそ面白い番組もあるのです、そのぐらい分かっております、きょうのわたしったらなんだかカギカッコ多いですね)、んだから私は一日のテレビの殆どを、6ちゃんねることM6に合わせております。下らない番組ばかりですが、私の低俗なおつむにはぴったりのようです。TVKのように空いた時間にPV流してくれるのですよ。昼間は売れ線しかかからないのですが、これが頭つかわなくて面白い。んで、この賞は日本で言うところのFNS歌謡祭&スポーツ偉い人大賞みたいなもんでしょうかね。みんなのアイドルドゥイエさんが国民栄誉賞の代わりにスポーツ賞(←リアルオーディオファイルです)を貰っておりまして、「TAXI2」が映画賞を貰っておりますことから分かりますように、とにかく話題先行ってな感じの選考基準です。音楽はフランスの永ちゃんことジョニー・アリデイや、ミレニアムだというのにサンタナだとかが賞をもらっておりまして、恐るべしオッサンパワーってな感じです。といいますか新しい人々を受け入れる気がこの国にはないような気がしてきましたよ、まったくもってつまらんねえ。「今年の歌」賞をとったヤニックの「Fais ce qu'il te plait」だってさ、81年頃流行った曲のカバーなんだもん。SHAZNAが「すみれセプテンバーラブ」ヒットさせてなんかの賞もらったのといっしょやんか。なんだかなあ、もう。ってな気分でございましたが結局最後まで見てしもうた。知らない歌手がいっぱいでてきて大変参考になりました。



11月16日(木)
抜き打ちに近い形で全校一斉に業者さんのテストを受けさせられる。なんと難しいテストなんでしょう!まだこっちでは習っていない接続法やジェロンディフなどがてんこもり!しかし日本でやっているはずなのだからできて当然なのにできていないっちゅうのが笑わせるぜ。どうやらこのテスト、TOEICの会社が新しく作ったと思われる新型フランス語検定テストみたいです。来年ぐらいから正式運用され始めるとかされ始めないとか・・・ このテストが実用化されるということは、フランス語能力の世界共通の物差しであるDELFやDALFはどうなってしまうのでしょう。まあ私には全く関係のない話なのでどうでもいいんですが、とにかく本当に難しいテストでござった。
そんでもって放課後は昨日のお友達と一緒に、かつてフランス語を習っていた先生夫妻のお宅にお邪魔。今日はボジョレー解禁ということで、近くのED(トポスとドンキを足して2で割ったようなドキュンスーパー)で15フランで売っていたボジョレーをゲット、先方への贈り物とします。友人は上司へのお土産に3フランくらいのHerbe de Provinceをドカ買い。安いし「日本人の考えるフランス」っぽいし、なかなかいい買い物の仕方だと思います。自分だったら貝殻の形のチョコとかより全然嬉しいと思いますもの。値段聞いたら怒ると思うがな。
しばらくぶりに訪れたご夫妻宅で一番驚いたことは、上の女の子(もうすぐ3歳)が言葉が私よりもぺらぺらになっていて、そんでもって下の男の子(もうすぐ1歳)がちゃんと立って歩けるようになっていたこと。いやあ、子供の成長スピードっちゅうのは速いんだねえ。女の子はもう自分のことを赤ちゃんを卒業してマドモアゼルだと思いこんでいるらしく、仕草や振る舞いに気を付けるようになっているみたい、おしゃまさんやね。男の子はその年にしては立派すぎる太い眉毛をお持ち、将来大物になりそうだ。彼は友人の贈り物のたまごボーロを見つけるやいなや走りより、袋を奪い取ってかぶりつこうとする勢い。たまごボーロはそんなにも美味しい食べ物なのでしょうか?謎であります。
夫妻と友人と久しぶりの再会を祝しながらのまったりトーク。友人の話によると、私はどうやらイヤミなんて比じゃないくらいにフランス被れしているそうな。日本語ベースに間違ったフランス語を織り交ぜるという、まるで長島茂雄のようなトークをしているそうな。あらあら自分では全く気づいておりませんでした、いったいどこをどう治したらいいのかしら。
夜も遅くなり、奥様は昼間は「仁神術(気功と整体と指圧と手かざしを混ぜたような癒し術from ジャポン)」の練習をしてきて大変疲れておねむとのこと、なので旦那さんと我々は夜の街に繰り出すことにしました。というか旦那さんが遊びたくてしょうがないらしく、我々はだしに使われたようです。12時過ぎて外に行くなんて初めてなので非常に緊張します。車で旦那さんの職場の近くのオベルカンフまで移動。昔は鄙びていたこの区域は現在は日本で言うところの三宿みたいなところ。若いおしゃれ系の人々が沢山集まり、深夜であっても活気に満ちあふれたキラキラした街。が、一本奥に入った暗い通り道には三田佳子の息子くらいの年齢の麻薬の売人さんもうろうろしていたりします。そんなの見ちゃうと怖くて怖くて歩けなくなっちゃいますなあ。地元の人と一緒だからなんとか行ける街って感じです。そんな猥雑な街のこじゃれたお店を2軒ほどハシゴしてみました。ボジョレー解禁の日はいろいろなお店で「ボジョレー試飲会」が開かれるそうです。この街でもいろいろなお店で「ボジョレー試飲!」という看板が立っておりました。道に寝ている人が多いのはボジョレー飲み過ぎだからなんだね。凍死しない程度に適度な睡眠取ってほしいよね。とにかく街はボジョレー祭りで大賑わい。日本の気取ったムードとは違って「無料で酒が飲めるから騒いでおく」というノリがなんともほほえましいです。さらわれないように、刺されないようにしながら帰宅したのは夜中の2時すぎ。明日も学校があるのをすっかり忘れておりました、寝なくちゃ。


11月15日(水)
誕生日を迎えました。「蠍座は嫉妬深くて自分勝手で性欲が強いのでこちらではイメージが良くないのよねえ」と先生の説明。日本でも蠍座の女はヅラのおばさんのせいで評判が悪いです、と説明しようと思いましたが面倒くさいのでやめました。授業中にいろいろな言葉で「Happy Birthday 」の歌を歌っていただくという、今までにないインターナショナルな祝われ方を体験。なんだか胸の端っこウズウズするぜ。人はこれを幸せというのね。
しかしやはりもう素直に喜べる年齢ではありません、毎日いろいろあるわけで。。。自分探しの旅に出てみたいのですが、よーく考えたら既に旅に出ている身分なのでしたよ、なのに何一つ悟れてないっすよ、やぱいっすよ。そんな旅に出たがっている私の誕生日を祝うために、はるばる友人が日本からフランスまで旅してきてくれました。嗚呼なんとありがたいことでしょう、一人でないって素敵なことですねえ。美味しくてリーズナブルなお値段の店を探し求めながらオペラからてくてくとレアールまで歩きます。そういえばレアールは大好きだったのに今回は殆ど訪れていないや。エティエンヌ・マルセル通りとか、アニエスb通りとか、歩いているだけでドキドキする場所なのになあ、いかんいかん、生活に溺れすぎておるよ。もう少し気持ちだけでも若々しくしておかなくっちゃ。
それでもって久々の外食。只今フランスでは大狂牛病ブーム。殆どの家庭、小学校の給食、レストランなどから牛肉が消えてしまいました。日本のO-157が流行した頃のカイワレボイコットブームをさらにエスカレートさせた感じでしょうか。とにかくみんな牛肉を食べません。本日訪れたビストロにも牛肉のメニューはありませんでした、いつになったら牛肉が食べられるようになるのかなあ。こずえ鈴の急速なヨゴレっぷりとともに牛肉の行方は私の中で気になるトピックの一つであります。
入ったところはレアールのいい感じのビストロ。前菜は山羊チーズを餃子の皮のようなもので包んであげたもの、メインはあひるのコンフィ、そしてデザートはクリーム・ブリュレ。めっちゃめちゃ美味しいのに、なぜか値段は86フランとリーズナブル。我々が入ったときはガラガラでちょっぴり不安だったのですが、店を出るときには行列が出来る店に変身しておりました。うーん、いい誕生日を送ることができて嬉しいっす。



11月14日(火)
久しぶりに学校の遠足に。この日はオペラ座界隈をゆっくりと見学。生きていくためによく行く場所なのですがしっかりと観光するのは初めてかもしれません。目がついているのだからいろいろなものを見ておかねばなあ、と思う今日この頃です。足が生えているのだからきちんと歩いておかなくてはなあ、と思う今日この頃です。オペラ座とマドレーヌ寺院の位置関係など未だによく分かっていなかったりします。ちゃんと把握すれば地下鉄より速く移動できるのですが。。。この頃日常にどっぷりと浸かりすぎているような気がしてなんとな〜く焦っています。
しっかりとオペラ座を見学した後はマドレーヌ寺院→ヴァンドーム広場と典型的なお金持ち見学コース。ホテルリッツのダイアナ元王妃がぐるぐる回転していた入り口をまじまじと見たかったのですが、建物から半径100mに「貧乏人は近寄るんじゃねえぞオーラ」が立ちこめていて迂闊に近寄ることが出来ませんでした。中に入らなくていいからあの回転ドアの中でくるくるくるくるくるくる廻ってみたい・・・死んだ恋人に想いをはせながらくるくるくるくる回転していたい・・・・特撮の次回のアルバムタイトルを「回転ドア」にすることを提案します。ま、どうでもいいんですがね。
さて、そんな妄想ばっかりしているせいか、日常から軽く脱出しようと試みたせいか、どちらなんだか分かりませんが我々は狙われてしまったようです。rue de la paix(平和どおり)の宝石店のショウウィンドウを涎を垂らしながら見ていた我々(先生含めて7人くらい)の背後から近づいてきた少年二人組。彼らは手提げ鞄を持っていた女の子にさりげなく近づいてきました。彼らの腕には秋葉原の人が良く持っている大きなビニール袋。そのビニール袋で自分の腕をさり気なく隠し、女の子の鞄に手を突っ込んで財布を抜き取ろうとしてきたのです。あら大変!幸いにも別の女の子が彼らの不審な行動に気づいて奴らをけっ飛ばして追い払ったのですが、気づかなかったら一大事になっていたことでしょう。私もお金はありませんが、奴らに辞書をひったくられたら生きて行けないくらいショックですもの。未遂でよかった、そして気をつけねば。
そんでもって先生から防犯についての心構えを伺って遠足は終了。昼休みの間に日本からフランスに来て一週間という友人二人ためにピラミッドに移動して書店やネットカフェの場所を教えてあげることに。そうそう、この頃物騒だから気を付けてね、なんでもユーゴスラビアやルーマニアの難民達が日本人を狙っているというもっぱらの噂だよ、、、とかなんとかいいながら案内終了。そろそろ午後の授業が始まるので地下鉄で移動することになりました。ピラミッドの駅から学校までの乗り継ぎってどうやるんだっけ?路線図見て確認しよう、、、と彼女と一緒に駅の入り口にある路線図を見ていると・・・後ろから視線を感じます。あれ?後ろにさりげなく視線を送ると、少年二人組が切符の自動販売機の前で切符を買っている「フリ」をしています。う、さらに体も顔も動かさず彼らを観察。なんとなんと、彼らの腕にはさっき見た秋葉原系ビニール袋が握りしめられています。先ほどの少年達はすぐに逃げてしまったので顔なんて全く覚えていられなかったのですが、このオタ系ビニール袋はしっかりと網膜に焼き付いております。やばいやばい、さりげなく二人に注意を促し別の改札口から(こっちのひったくりはターゲットを自動改札の入り口で羽交い締めにするパターンが多い)地下鉄に入ることにしました。が、彼らの正体が知られてしまったことに対して、彼らは非常にご立腹されたようです。逃げる我々を追いかけて思いっきり唾を吐き掛けてきやがりました!うへえ、買ったばかりのコートに奴らのつばがベットリ。なんじゃこりゃ〜〜〜 と叫んでも、彼らはもう遠くのお空に消えていってしまいました。一日に2回も同じスリに狙われるなんて!私の焦りや妄想がスリを呼び寄せているのでしょうか。。。非常に非常に凹んでおります。しかししかし、パリに来て一週間の彼女は更に大きなショックを受けているみたい。すでに帰国を考え初めてしまっているようです。私もスリに会うのは4回目(2ヶ月で4回ってやっぱりおかしいとおもう)なのでさすがに立ち直るのも早くなっておりますが、はじめてこういう目に会うのってどん底前凹みますものねえ。。。彼女がパリを嫌いにならないように祈ります。



11月13日(月)
「もしも200万円あったなら、私はモアイ像を見るためにイースター島に行くだろう」という例文を授業で作ったのですが、なんとなんと!日本人以外誰もイースター島もモアイ像も知らないのだ!確かに私の説明「南アメリカの西の方の島に、顔だけの石の固まりがあります」ではモアイを想像する事は難しいと思います。しかししかし、ペルーの生徒もコロンビアの生徒もブラジルの生徒も知らないとはいったいどういうことなんだ!モアイはエロマンガ島と同じく日本人しか知らない、マイナーオブジェなのか!?なんだか非常に憤りを感じます。みんなモアイ見ようよう。

んで放課後、ネット関連の会社に面接に。マダムのワープロを借りて履歴書づくりに勤しみます。日本でも殆ど履歴書なんて書いたことがありませんからなあ、多分生まれてから5枚目くらいじゃないかなあ。住所と名前と電話番号以外に何が必要?困った困った。日本語の履歴書だけでもヒイヒイ言っているのに、その後フランス語の履歴書にも挑戦してみることに。まず自分の卒業した学部の名前が分からないし、自分が働いていた会社の名前も分からないし、自分がいったい何が出来るのかも分からない(←これは単なるモラトリアム人間さん)。既存の履歴書の書き方を参考にしてはみるものの、、、「英検」や「仏検」ってフランス語で何ていうのかしらん。せっかく資格持っていても、それをアピールできる語学力がないんじゃ意味がないよねえ。しょぼん。
そして泣きながら頑張って書き上げた履歴書をもって会社を訪問。ビジネスとしてWEB制作している方々とお話するのは初めてなので非常に緊張します。私がなぜこの会社に応募したのかというと、JUNKUのアノンスにあった「パリの情報サイト制作に関するお手伝い募集」という張り紙に興味を持ったからなのです、それでその会社にコンタクトを撮ってみてお話してみたのですが、「お手伝い募集」とは本当のお手伝いさんを求めていたようなのですね。つまりボランティアスタッフを募集していたのですね。なので、いろいろお話をしてみた結果、とりあえず時間の許す限りボランティアとしてこの会社でお手伝いをする事になりました。自分を売り込めるほどhtmlに詳しい訳でもないですし、使うソフトは全て独学でありますし、なにより職歴がないので・・・ ということで、職を探しつつ、ここでプロのWEBデザイナーさんたちのお手伝いをして、そして技術を少しずつ盗めて行けたらなあと思っておる次第です。さてさてどうなることやら。



11月12日(日)
フランスに来てもうすぐ二ヶ月。やっと!やっと!やっとテレビでエロ番組を見ることができました。やったーーー 「A女E女」を超える凄まじいエロスを期待して渡仏していたのですが、こっちは深夜は放送なくなっちゃうんですよう。エロどころではないんですよう。それにカトリックな国で結構規制がきついみたいなんですよう。見事に裏切られたというわけですよう。なので、すっかりエロ系番組は諦めていたんですが、今日は偶然!日頃の行いがよいのでしょうか。
「LOLITA 2000(?)」というオムニバスエロドラマは、いろいろなシュチュエーションのドラマといろいろな組み合わせと組体操を短期間で楽しむことができます。安い宇宙船のセットの中で女の捕虜が楽しそうな拷問を受けていたり、頭のゆるそうなウェートレスさんがお客さんひっかけていたり、キャットファイトからエロエロレズに転換してみたりと、必然性のない大味のエロスがゆるい物語に乗ってイージーリスニングに合わせて繰り広げられます。日本と違うのはこのユルユルBGMでしょうかねえ。画面を見ないで勉強だけしていればきっとはかどると思いますよ。中高生と私には無理でしょうが。
しっかし大味エロ、10分で飽きてしまいました。日本の情緒溢れるエロを少しは見習って頂きたいと思う今日この頃。昔のにっかつ映画みたいに無意味な花瓶はないしボカシもないのですが、足の向きや光の加減やカメラワークでいい具合に隠れていて見えないっす。別に見たいわけではないんですよ、ほんとですよ。それにしてもこっちの娘達のシリコンの入れ方は尋常じゃあないなあ、そんなに動いてたら破れてとびでちゃうよ!って画面に向かって呼びかけたくなるくらいのものでした。将来どうなるんだろう?



11月11日(土)
今日は第一次世界大戦休戦記念日なんだそうだ、祝日なんだそうだ、きっと「戦争に勝った日」と呼びたいんだけどドイツの手前休戦ってことにしていると思うんだ。まったくねえ、そんな遠慮するんだったら祝日なんかにしなけりゃいいじゃん。とりあえずフランスという国は勝ったり奪ったりすることに関しては物覚えがいいっちゅうことですかねえ。
そんでもって夕方はJUNKUのアノンスに出ていた「第三回 ワーキングホリデーの人のための懇親会」というものに出てみることにしました。第三回ということは過去に二回あったのかなあ、実際に働いている人はいるのかなあ、もしいらっしゃったら是非是非お話をお伺いしたいなあ。そう思って集合場所のバスティーユのレストランまで行ってみることにしたのですが・・・ なーんか澱んだ魚の目をしている日本人が4名ほど・・・どこかでこのオーラを感じたことがあるなあ・・・ うーん、帰っちゃおうかなあ・・・ んでも、後から友人達が来るので先に帰る訳にいかないし・・・ もしかしたら見た目だけヨゴレた人たちだけど話してみたら実際いい人達かもしれないしなあ・・・ と迷った挙げ句いつでも逃げ出せるようにドア付近に席を取り話だけ聞いてみることにしました。
主催者さん達以外はみんな初めてこの会に参加したみたいですね。14〜5人いて殆どが9〜10月に入国した人たちばかり。よって必然的に会話の話題は「家探しの難しさ・そしてそのグチ」みたいな感じになりました。やっぱり家を探すのって難しいよねえ。既に働いている人もいて参考になるお話は聞けたものの、会はまったりと澱みながらお互いの傷を舐め会う暗〜いノリへと突き進んでいきました。なんだか場末のサラリーマンみたいでいやだなあ、帰っちゃおうかなあ・・・
と、私の他にも同じ事を考えている人がいたようですな。私の席の近くの女の子二人組が、さりげなく席を立ってフェイドアウトしようとしたのです。その時! 主催者の人が「せっかくだから、帰る前に会の感想を聞きたいからアンケートに答えて」と言い、彼女たちにアンケート用紙を渡したのです。ここまではいい幹事さんだなあと感じました、みんなのことをちゃんと考えている素晴らしい幹事さんなんだなあと感じました。しかししかし!そのアンケートの内容が・・・ 自分の住所・氏名・電話番号・メールアドレスの他に「フランス語歴」、「過去の職歴」、「フランスでの希望職種」、「フランスでの一年の予定」などなど、懇親会のアンケートとはほど遠い、もの凄く突っ込んだ内容のアンケートだったのです。そしてそして、別の主催者が彼女たちの写真をデジカメで撮ろうとしているのです。初めて会って、まだ全然話もしていない人のデータと写真とってどうしろというの?
不審に思った参加者の一人が「どうしてこんな突っ込んだアンケートを書かなくてはいけないの?」「どうして写真を撮ろうとするの?」と聞いたところ、主催者さんが言うには「実は私たちはこれから非営利機関のアソシエーションを作ろうと思っているのです云々」と言い出すではありませんか! アソシエーション! 滞在一年経ってないのにフランスでアソシエーションとか言っている人は渋谷でITとかマルチメディアとか言ってる夢見がちな大学四年生と同じような人種です(思い切り偏見)、中曽根君からみたら真夏にソフトクリーム持ってる鳩山君みたいなもんなんです。つまりとにかくアソシエーションとか口走る人に信用できる人はいないっちゅうことなんです(もちろん私の中で)。そして主催者さんは「我々はHPを作って、皆さんの写真をクリックすると皆さんのアンケートがすぐに出てくるようなことをしたいんです」と抜かしました。ハァ?毎日のように知り合いの名前を検索エンジンで探して、そんでもって画像発見しちゃって喜んで別の人にメールで教えまくってるようなことをしている私にはその行為がとうてい理解できません。様々なネットアイドルがネット鬼畜さんたちによって晒し上げ&吊し上げされている光景を毎日のように見ている私にはまったく納得できません。というか、他人のデータが欲しいが為に我々を利用したのですか?情報に飢えている我々の気持ちをリサーチして、それをどう活用しようとするのですか? そもそもあなた方は本当にワーキングホリデービザ持っているんですか?なんだかだんだん腹が立ってきました。
そうだ、思い出した。彼らの醸し出す禍々しいオーラは、私がフランスに来て最初の頃に騙されそうになったアゴのしゃくれた闇の不動産屋と同じものだったんだ。そんでもって高校3年生のころに行った和光大学の学園祭にいた手かざし系新興宗教の人々とも同じものだったんだ。私の野生のカンは正しかったんだ。とにかくここは危ないから早く逃げなくては。なんだよう、もう。
ってなわけで、会も途中だったのですがなんとか会場を抜け出し、水曜日に参加した日仏交流カフェで羽を休めることにしました。先に逃げ出した女の子二人組もそこにいて、とにかく懇親会の文句で大盛り上がり。やっぱり淋しいからって、知らない人の主催する会には行かない方がいいね。心からそう思いました。


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