にっき
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12月20日(水)
失踪していて行方不明だった居候さんが早朝いきなり荷物を取りに来ました、無事で何よりです、しかし来るなら来ると予告していただきたかったよ、寝起きの浮腫んだ顔でお出迎えなんて妙齢の女性のすることではないですもの。しかしまぁ、いろいろ言いたいことはあったのですが、宿泊代を置いていって下さったのでまあいいや。これで一件落着ということにしましょう、よかったよかった。あんまり外国でいい人ぶるのはよくないと学習しました。そしてお金を貰っただけで機嫌が良くなる自分に吐き気がしました。そりゃ鬱にもなるや。
ということであぶく銭を使いに街に繰り出しました。やっぱり買うものはブーツ!とにかくパリは急激に冷え込んでおりまして、日本から履いてきたスニーカーだと、地面から靴の底を突き抜けて寒さがはい上がってきて、そんでもって体全体を冷やし尽くしてしまうのです。追い炊きのできないパリの風呂で暖まるのは結構面倒。パリジェンヌはオシャレのためだけにブーツを履いているのではないのです、ちゃんとした防寒対策としてのブーツだったのです。なのでとにかくブーツ、CDラジカセも欲しいのですがとにかくブーツを買っておかないと、これからの更なる寒さに耐えることが出来ません。命に関わる問題です。プランタンでオシャレ系の靴を沢山見て欲しいブーツのイメージを頭の中に焼き付けて、そんでもってプランタンの近所の安い靴屋さんで似たタイプのブーツを購入。しかし外国産のブーツは足のサイズだけでなく、足首のサイズも考えなくてはならないのが困りもの。欲しいブーツでサイズもピッタリしているのに足首が太すぎてチャックが閉まらないものが多数ありましたよ、そりゃ鬱になりますって。しょぼん。
予算を大幅に下回るお買い物が出来たので、そのまま近所のFNACに行ってレコ物色。普通のレコード屋さんなんて久しぶりで非常に新鮮。ケムリが大々的に売り出されているのにびっくり、フランスはなぜかスカパンク(SKA-Pというジャンルらしい)が人気なのです。フランス人の短絡的な思考回路にぴったりはまるからでしょうか?そして非常に非常に大ショックなことが。Jマスシスって先月末に来仏してライブやっていたのですね!Jの新アルバムのジャケに「11月27日ライブやります」というシールがペタペタ貼ってあるではないですか・・・全く気づかなかったよ、そりゃ鬱になるってば。がーん。
結局ブラーのベストなんぞを買ってしまいました。日本だったらベストなんて、しかもブラーのベストなんて絶対買わないだろうに。外国に渡って日和ってしまった気がします。しかし買ってから言うのもなんですが、何なんですかこの相原コージが江口寿史を模写したようなダサダサのジャケは?このジャケはイギリスではオシャレなのですか?CCBのコーナーにさりげなく紛れ込ませても誰も気づかないような気がします。デニーズでもこんなメニュー出さないってば。といいながらもじっくり聴いていたりします。ボランティア先で曲に会わせて歌ったり奇声を発したり踊ったりしていたら怒られてしまいました。そりゃ鬱になるっちゅーの。ぐすん。



12月19日(火)
フランスの古着屋さんはゲリソルとキリワッチという二大大手がしのぎを削っております。キリワッチは原宿や渋谷に出店して日本人相手に儲けてみたり、古着屋のノウハウを生かした新しいお洋服ブランドを展開したりしと大繁盛。そんなキリワッチを横目に場末でちまちま展開しているゲリソルです。家の近所にはこのゲリソルのお店がいくつかありまして、大量の在庫の中から掘り出し物を発掘しに歩いて言って参りました。
なにがすごいってその品揃えと安さ。スキーウェアからスカーフまで、とにかく大量の在庫が倉庫みたいな店舗に揃っているのです、お客さんもいつもわんさか。この辺の住人は低所得者が多いので、私をはじめとするいわゆる「古着好き」のお客さんはほとんどおらず、とにかく「生活するために被服費を節約」するお客さんばかり。客層は殆どが中年、そんでもって男性:女性=7:3といったところでしょうか。目の血走った人たちばかりで怖いです、みんなの勢いに飲まれていては掘り出し物は手に入りません。がんばらねば。
しかしフランスは多種多様な人種がひしめいている国、そしてこの地区は特にワールドワイドな地区、品揃えも若干エキゾティック気味なのです、簡単に言いますと黒人の方のニーズの合わせた品揃えということなのです。もんのーすごい原色同士の組み合わせのブラウスとか、妙な刺繍で覆われているワンピースとか、ただでもいらないものが店の半分くらいを覆っていて、「あ、ちょっといいなあ」と思われるものは全体の5%前後。狭い店ならよいのですがだだっ広い店舗でその5%を探し求めるのはかなりの労力を必要とします。一枚一枚アナログ盤をあさる貧乏学生のように、隅から隅まで服を探し求めます。
なんとか頑張ること3時間、ついにかわいらしいワンピースを発見いたしました。前任者の香水のにおいがもの凄くきつく(全ての服が異常に臭い)、試着した瞬間に気絶しそうになりましたが、それさえ我慢すればかなりのもの。そして値段は15フラン、とにかく陰干しやらファブリーズやらでニオイを取り去ればちょっとしたパーチーにも着ていけそう。日本のフリマでも300円じゃいいものは買えません、いい買い物でしたよ。ゲリソル臭いけどは貧乏人の見方であります。



12月18日(月)
学校ないし家庭もないし〜ということで今日から本格的にヒマになってしもうた。ホリデーばっかりでワーキングしないのもなんですので職探しをしなくてはなりません。住まい探しと違い、気軽な気持ちでいろいろ当たっても先方に対して失礼になってしまいますので、余裕を持って興味のある仕事を探してみようかと思っております。
そのかわりチャンスはどんなことがあっても絶対に逃がさない。
なるべく短期決戦でケリをつけたいのですが難しいもんですよねえ。派遣会社に登録しようかしらん。そんなことを考えながら遅ればせながら日本人会に入会&求人チェック、その後JUNKUに行って張り紙チェック。やっぱりそんなタイミングよく求人は出ていないものですねえ。日本人会の方々に今のフランスにおける日本人企業の景気をいろいろ伺ってみましたが、やっぱり難しいらしいです。やっぱりレストランぐらいしか働くクチはないのかなあ。せっかく来たのですから、何かしら学んでみたいのですが・・・ とにかくじっくり素早く動いてみますか。



12月17日(日)
一仕事終えてからポンピドゥーセンターに「AU-DEJA du SPECTACLE」見に行く。現在のポンピドゥーの外壁には村上隆の代表作の一つ、ボインちゃんが自分の乳からあふれ出る母乳で縄跳びしているという「HIROPON」の写真がデカデカと掲げられておりまして、どんなに遠くの方からでもアニメっ娘の顔が拝めるのでパリっ子は大喜び!地下鉄の広告も彼女の大きなおめめと大きなおっぱいで埋め尽くされておりこれまたパリっ子は大喜び!なのでしょうか?ちと分かりません、田島陽子が憑依しているわけではありませんが、ちと眉ひそめてしまいます、老いた証拠でありましょうか?
展覧会はいわゆる現代アート展です。真っ白なマイケル君とサルのパプルス君を大きな陶器で作り上げたジェフ・クーンズや(彼が一生懸命粘土をこねてマイケルの形にしていくのを想像すると面白い)、なりきり大好きシンディ・シャーマンなどの大御所さんをはじめとした、ありとあらゆる「時代を切り取ってるぜー」ってな作品が集められております。びっくりしたのは Yar Cehの「Clipper 1.0」。なにがすごいって彼は75年生まれ!そんな年齢でポンピドゥーっすか!いやはやすごいもんです。作品はCMやら映画やらビデオクリップやらから少しずつ少しずつサンプリングして繋げてそんでもって音楽と合わせる、という東京のVJさん達がよくやっているのと同じ手法なのですが、そのサンプリングネタはめちゃくちゃ直球勝負でさらにびっくり。「分かる人にだけ分かる元ネタ」っていうのが、この手の作品のオシャレ度に関わってくるような気がするのですが、彼の作品はブニュエルの「アンダルシアの犬」だったり、ニルヴァーナの「smels likes teen spilits」のPVだったり、ケミカルのクラブで踊る骸骨ビデオだったりと、とにかくネタ元が分かりやすすぎてびっくり。音楽や映画好きじゃなくても、眠れなくてテレビ付けっぱなしにしてたら必ず目にするような映像ばかり。確かにフランス人はあんまりニルヴァーナとか聴いてないから(偏見)、知る人ぞ知る映像なのかもしれないんだろうけど・・・もしかしたら「分かりやすい」というのがこれからのキーワードなのかもしれないなあ、同世代だから分かりやすいだけなのかなあ。
日本人は4人出てます。村上隆と西山美なコと森万里子と何故かキュピキュピ・・・ つまりまんが、少女まんが、コスプレ、B級特撮、と「ジャンクな感じに見せかけて実はサブリミナルに社会批評、つまりタイトでキュートなヒップがシュールなジョークとムードでテレフォンナンバー!これが日本のアートシーンのトレンドなのだー(←語尾をのばして頭を悪そうに見せかけるのも計算のうちなのだーー日本人はずるがしこいのだー)」ってなセレクションでしょうか?
キュピキュピは「狂わせたいの」の監督などがメンバーになってるパフォーマンス集団。見た瞬間はもの凄く面白いんだけど、2分でお腹いっぱいになってしまうコテコテ関西テイスト。森万里子は今回は観音さんのコス、西山美なコはロココなおうちで、かわゆくかわゆく我が道を行っています。んで村上隆は「HIROPON」と「My LoneSone Cowboy」の二点。ヒロポンちゃんが母乳で縄跳びしているのに対して彼は、、、、あぁん、そんなこと私のクチからは言えません、そんなに空気に触れさせていたらさぞや苦かろうて。スーパーフラットとか唱え出す以前の作品だったためでしょうか、キャプションにはベルリーニの彫刻「聖テレサの法悦」と比較されたりしておりまして、肝心のスーパーフラット云々は触れられていませんでした、まだキュレーターさんたちも様子見だからなのかしら?こっちの雑誌では盛んに取り上げられているのになあ、様子見ということなのかな。それにしても普通ポスターになっている作品には一番人が集まるはずなのに、彼の作品だけは何故かみなかなーり遠くの方から眺めているだけです、しかも後ろの方から。フランス人は尻フェチなのでしょうかねえ?不思議なものです。
なかなか面白い展覧会でしたが、あれだけで日本と日本のアートを判断されるとちょっと困るなあと思ったりもしました。ウヨになったつもりはこれっぽっちもないのですがね。



12月16日(土)
昨日手羽先を煮た圧力鍋を洗わずに放置しておいたら大量の煮こごりが発生してました。わーい、ご飯作らなくてすむー ということでクラッカーの上に煮こごりを乗せたものが本日の朝ご飯兼昼ご飯兼夜ご飯。ちびちび食べながら日本から依頼をうけたカット描きの仕事に着手します。日本時間月曜9時が締め切りなので、明日の夜までにちまちましたカットをちまちまちまちま20枚ほど描いていくのです。面倒な作業ですがこれで家賃の足しになるのなら・・・ コンピューターとネットのおかげで小遣い稼ぎは本当に楽になりました、来世紀はもっと素晴らしい世の中になるとよいですね。
けれどもやはり一日中煮こごり喰って、そんでもってずっとパソコンの前に向かい合っていたら煮詰まってくるし腰も痛くなってくるものです。一日中家の中に閉じこもっているのも体に良くないし、ちょうど土曜日だしということで、気分転換にカフェまで出かけてフランス人に稽古をつけていただくことにしました。いつもより人が少なめのカフェで偶然隣り合わせに座ったフランス人はなんとプロのイラストレーター!パステル使って描いてんのかな、と思いきやオールCGだそうでびっくり、使ってるソフトがペインターじゃなくてフォトショップというところにも更にびっくり。ポートフォリオと過去の作品を見せていただきましたが!んもう! 本人は謙遜しておられましたがほんとにほんとにすごいのです。なんでこんなすごい方が場末の喫茶店で日本人相手にお話してるのが不思議なほど。んで、ちょっと伺ったら絵を描くきっかけとなったのが、子供の頃テレビでやってた「マジンガーZ」だったそう、うむむ、アニメって外国人の人生変えちゃうんだなあ。
さっきまで5秒で楕円3つ描いて、適当に色つけて「鏡餅〜」と称した絵を納品していた私には、彼の作品が眩しく光り輝いて見えます。少しでも見習いたいものです、ということでフォトショップのブラシツールの使い方を教わったり、ずうとるびの江藤君が描いたような私の馬の絵に対して「もっと骨格から考えて肉付けしなくちゃ」と親身なアドバイスをいただいたり、会話以外でも本当にタメになりました。気分転換って本当に大切なんですねえ。



12月15日(金)
10月から通っていた学校も今日で終わり、今日は授業をせずに今までの労をみんなでねぎらいます。私も普段より早起きして11時起床、昨晩からにんにく醤油+みりん+生姜にどっぷりと浸けておいた手羽先を圧力鍋に突っ込んで十分加圧&15分放置プレイ。たったこれだけで人様に出しても恥ずかしくない料理ができあがり。圧力鍋って本当に便利ですね、ティファールセンサー2(圧力鍋フェチの中では最強とされている鍋)じゃなくてフランスなのでセブなんですが、それでもやっぱり使いやすいツールです。圧力鍋とオーブンのおかげでフランスにおける食生活はかなり充実しております。フフフ、これで私の料理クィーンの座はバッチリね・・・ と、かなり低いレベルで自意識を満足させながら、学校に料理を運んでみました。
んが!んが!上には上がいたのです。中華軍団です、きゃつら、にんじんで大量にお花を作ってきやがりました。そんでもって皿の上に散らしております。ほら、春はもうそこに来ているヨ・・・!と電波の妖精さんが話しかけてきそうなメルヘン食卓っぷり。そんでもって、餃子、春巻き、えびせん、中華の豆腐、、、と基本アイテムを確実に押さえており中華料理の奥深さもアピール。そんでもって他の国の子がもってきたりんごタルトの上や、先生が作ってきたキッシュの上にも無許可ににんじんのお花を振りまいて中華特有の厚かましさもさり気なく強調。くぅ〜 やっぱりフランスに来てから料理はじめた私には料理クィーンを目指す資格なんてこれっぽちもなかったのね・・・ おもいっきり凹みましたが、そんなことより会が楽しかったので5秒で忘れてしまいました。手羽先もみなさま非常に食べにくそうでしたが、なかなか好評で沢山のお褒めの言葉をいただきました。生まれて初めて作った料理を味見なしで食べさせるのはなかなかの度胸が必要ですが(まずかったら「これが日本の普通の味覚」と言って押し通すつもりだった)なんとかなるものです。よかったよかった。
誰一人として授業に不満を持つ人はいなかったのですが、クラスの大部分の生徒が来年の1月からは学校を移ります。やっぱり安いとはいえ私立の学校、多くの生徒が来年の10月からの大学への正規留学を狙っているので、語学の学校にはそんなにお金をかけていられないようなのです。この3ヶ月で会話の能力を高めて、そんでもって来年は大学留学に向けてソルボンヌ(付属)やパリカト(リック付属)という比較的リーズナブルな学校でみっちり文法を学んで本格的な学問探究へ備える、というパターンが多いみたいですね。みんな計画的なんだなあ。
私は学校に通うとしても多分、授業が週に2〜3回しかない「外国からやってきた出稼ぎ住み込みお手伝いさんコース」に入るのでみんなとはお別れ。悲しいけれどもみんなとの交流は忘れないのさ、これからも友達なのさ、ということだ。



12月14日(木)
  明日で今学期は終わり。授業は行わずにfete(お祭り)をやるそうです。一人一品ずつ何かしらの料理を持っていかねばなりません。さて困った、何を持っていけば喜ばれるのかしら… お寿司は高価だしなあ… そんなときはタン・フレール。日本人のクラスメートたちと一緒に明日の料理のヒントを見つけにはるばる13区まで繰り出しました、学校の場所を新大久保とするとタン・フレールのある場所は梅屋敷と考えることができます、つまりとにかく遠いのですよ。まぁ安いしアジアの食材いっぱいあるし、何かしら見つけることができるはず、ということで店の中に入って食材を見て回って考えることにしました。なにがいいかなあ。チンゲンサイをごま油で炒めたやつは美味しいけど、もしかしたら中国の子と被ってしまうかおしれないし… 菜の花のみそ汁飲みたいけど持っていく方法がないし… ぶり大根食べたいけど魚食べれない子がいるし… 熟考に熟考を重ねた結果、自分が現在一番食べたい「手羽先をしょう油とみりんで煮たやつ」を持っていくことにしました。手羽先なら20人分買っても20フランちょいだし、しょう油味だから日本っぽいし、家の圧力釜をつかえば10分でできあがるし、まさに理想型。フランスのスーパーにはあまり売られていない生姜も買い求めて明日の仕込みは万全。このお店があれば怖いものはありませんよね。
んで、その帰りに日本人クラスメートたちと韓国料理屋さんへ。3年ぶりくらいにクッパかっくらいました。美味しい〜安い〜 私がいたクラスで最後まで残った日本人は4人、私と倍以上も年齢が離れたマダムから、このあいだ大学を卒業してきたカワイコちゃんまで、非常にバラエティに富んだメンバーでした。そして皆さんいろいろ考えることがあったみたいですね、かなり長いこと話し込んでしまいましたよ。そう、同じくらい他の国の人ともお話できればよいのですがなあ。。。



12月13日(水)
  レ・アールの近くの中古CD屋さんでジム・オルークのシングルが20フランだったので買ってみました。なぜかサイレント・ポエツのアルバムも20フランで売られていて、どっちにしようか非常に迷ったのですが、以前わたしはサイレント・ポエツのことを「叫ぶ詩人の会のアコースティックバージョン」だと勝手に思いこんでいた時期があり、そんでもって「げぇ、ドリアンのしっとりポエトリーなんて聴いてられねえよぅ」と、間違った理由で思いっきり嫌っていたことがあるのです、なので申し訳なくて20フランでなんて買えないよっ ってなわけでジム・オルークにしたのですよ。うるさい音楽が嫌われる職場でもかなり好評、良い買い物でした、わーいわーい。
尻餅をつきながら苦労して書いたプランタンの原稿をはじめとして、ボランティア先にはいろいろな原稿が多数上がってきたそうです。デザイナーさんのレイアウトをもとに私がクリスマス特集のページの枠組みを作ることになりました。とはいってもデザイナーさんの作った素材をレイアウト通りに並べて、そんでもって原稿を流し込むだけの作業なのですがね。しっかしその「レイアウト通り」というのが難しいものですねえ。プロの方々は1ピクセルのずれも見落とさないですもの。「まあいいや」が通じないのですもの。何度もダメ出しをいただいて、泣きそうになりながら歯を食いしばりながらなんとかかんとか人様に出せる形に仕上がりました。ちょこっとテーブル並べるだけの仕事がこんなにも大変なものだったなんて… ほんとうに世の中の方々全てが偉く見えてくる今日この頃です。



12月12日(火)
クラスのみんなと一緒に中華料理を食べに行きました。今週末で学校も終わり、帰国する人、学校を変える人、授業のタイプを変える人、とその後の選択は様々。来年からはみなバラバラになってしまいます、なんだか淋しいね。ということで、中国人の女の子のお薦めのお店でみんなでお食事をすることになったのです。クラスが始まった10月の頃は外国の人とおしゃべり出来るようになるなんて考えたこともなかったのですが、片言ながら他の国の友達ともおしゃべり出来るようになって、そして日本人でも外国人でも考えていることがそんなに変わらないことを知って、なんだかとても嬉しい今日この頃です。もっと早くみんなと喋れるようになっておきたかったなあ。
中華料理は牛や豚や鶏や魚介類や蛙など盛りだくさんの食材で、食べる人達の国籍や宗教などが違っていても、皿を変えれば問題ないので便利便利。北京ダックをたらふく食べましたよ、焼売も食べましたよ、餃子だって炒飯だって食べましたよ。烏龍茶も白いご飯も何もかもが久しぶり、やっぱりアジアごはんは精神的によいです。安心します、うっとりします。
中南米やヨーロッパ系の子たちは、中華料理の「大皿から取り分け」という食事スタイルに最初難色を示しておりましたが、すぐに慣れてしまったみたいです。イスラエルの子の前にはみんなが気を遣って豚肉を置かなかったのに、「ボクは豚肉が大好きさ」とか言って、遠くの方にある酢豚や炒め物を取り寄せてむしゃむしゃ食べていったのにはびっくり。なまぐさユダヤ人と呼んで差し支えないのでしょうか?とにかくとても楽しい宴になりました。
外国の人に日本のことを聞かれることが多いせいか、周りにアジアの子が多いせいか、この頃「アジアと日本」との関わりについて考えることが多くなりました。今までは「日本とアメリカ、日本とフランス、日本と欧米 etc」と、ダイレクトな国と国との関係で物事を考えていたのですが、このごろは「アジアの中にある日本とアメリカ、アジアの中にある日本とフランス etc」と周りの国々について考えながら他の国との関係を考えるようになってきたのです。もっとアジアの他の国について知ってからフランスに来た方が、更に更に物事を深く知ることが出来るような気がしてきました。ま、もう来てしまったので、これからばりばり知っていけば良いのですおね。今週末で終わりだなんて本当にもったいないなあ。しょぼん。



12月11日(月)
日本でも放送されている(もう終わった?)「LA大捜査線」、こちらでは夕食の時間帯にバリバリ放映されております。洪金宝の天使のような微笑みと、その体格からは想像できない機敏な動きにもうメロメロ。これでもか、これでもか、というほどのバタ臭い演出にもウットリ。今日はサモハンがクイズ番組に出てる最中に事件に巻き込まれてさあ大変!という赤川次郎でも書かないような珍事件簿が繰り広げられておりました。楽しいドラマだ。
し・か・し ただ一点だけ、どうしても納得出来ない箇所があるのです、それは吹き替え。もちろんここはフランスでありますから、アメリカ発のドラマはフランス語の吹き替えが必要となってきます。サモハンだって現地では英語喋っているのだからしょうがない。しかし、しかし、その声優のセレクションに全く持って納得行かない!サモハンの声が田の中勇と熊倉一雄を足して2で割ったようなしゃがれたオヤジの声なのです!しかも鼻に栓を詰めたようなフランス語で!ひどい、ひどすぎます。サモハンの声を当てるのは水島裕以外には考えられないことです。フランスに水島裕を呼べないのだったら、せめて水島裕に似たタイプの若い声優さんを当てるべきだったのです。サモハンのコミカルな動きは、水島裕の声以外考えられないし考えたくもない!ってなことを画面に向かってぶつぶつと言いながら一人で夕飯食べてるのですよ。はぁ。


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