にっき
---



 
1月31日(水)
ふと考えて手帳を出して計算してみたら、一月は一日に6〜7時間はボランティア先にいて仕事してることになっていた。なんちゅうことだ、ボラ中やん。そんなつもりはなかったのにいつのまにか一日中PCの前にいて一日中日本語を喋っておるよ。これは流されているということなのかしらん。そして流れ流されて明日バナー取りの営業に行かされることになりました。営業なんてはじめてですたい、はてはてどうしたものか。



1月30日(火)
オーペール(住み込みお手伝いさん)は週に35時間働いて3000〜4000フランのお給料、というのが平均的なようです。中には6000フランぐらいまで出してくださるお金持ちの家庭もあるようですが、そういう家の家事はものすんご〜〜〜〜くきついそうな。いろいろあるんやね。
しかし、中にはいわゆる「ハズレ」のお宅に当たってしまった子もいるようです。東欧や中南米から来た彼女たちは、オーペール斡旋所を通していろいろな家庭に派遣されるわけですが、家庭の中には契約書に書かれた以外の仕事を彼女たちにさせたり、週に48時間以上働かせたり、お給料を全くださなかったり、といったところもあるようで、学校の休み時間はつらい労働条件のオーペールの子の人生相談会が開かれたりします。
今日は「自分の部屋を与えられず、3歳の子供と一緒の部屋で寝泊まりしているが、最近3歳の子に自我が芽生えはじめ、部屋を追い出されてしまうようになった。部屋で寝れないので廊下で寝ている。給料も2ヶ月くらい出ていない」といった悲惨な相談をクラスメートと先生に話す女の子が。小公女セーラでもぼろい屋根裏をあてがわれていたというのに廊下とは・・・ あまりに可哀想で先生も生徒も怒っています。とにかく斡旋所に行ってこの状況を改善して貰うべき、その家庭との契約を破棄するべき、と言った強硬な意見が大半をしめていますが、やはり彼女は「住み込みお手伝いさん」。次の家庭を見つけない限り彼女はその家庭で働き続けなくてはならないし、斡旋所に報告するとその家庭と彼女との関係が更に悪化してしまうし。困った、かける言葉が(日本語でも)みつからない。次に行く家庭が素晴らしい場所だといいね、早く次の派遣先が決まるといいね、としか言えないよ。想像力も語彙も貧困だと、こういう時に自分の気持ちに合った言葉を見つけることができなくてつらい、もどかしい。



1月29日(月)
貧乏性なので昨日お土産に大量のケーキを戴いたのです、が、やっぱり一日1ホールは食べきれないや。ということで、ボランティア先にケーキを持っていくことに。今日はなぜか職場に男の子がいました。なんでも「学校に5分くらい遅刻してしまっただけなのに、校長先生は学校の中に入ることを許されなかった」そうで、そのため行く場所がなくお母さんの職場についてきたそうです。フランスの学校は厳しいのですね。共働きのお母さんは子供をあやしながらせっせせっせと仕事をしております。おお、かわいいでちゅねえ、よちよち。お姉ちゃんがケーキをあげまちょう。何が好きでちゅか?チョコでちゅか?ぼぁら、召し上がれ〜 はい、ふぉーくつかいまちょうねえ、ほら、手で食べちゃだめでちゅよ〜 って、そんな手で書類さわっちゃだめでちゅってば〜 おい、手で喰うなや、ほっぺにチョコがついてまちゅよ。手で拭かないでティッシュで拭きましょうねっ おい、そんな汚れた手で暴れるなって、おいおい、顔拭けや、おいそんな顔と手のまま走るなって、暴れるなって、つーか書類さわるな やんちゃでしゅねえ。って、おいよう、触るなって言ってるだろ、手洗えって、おい、人の話聞いてないだろ。てめえそんな手で走り回るなって。落ち着いて食えよ、触るなっつってんだろが、ォラア〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 職場は阿鼻叫喚。書類はどれも茶色に染まり、壁という壁にチョコレートで描かれた抽象画が。小さな子供にケーキを食べさせる時は周りを片づけてからにするのが吉だと分かった一日です。



1月28日(日)
友人の友人がリッツのお菓子教室に通っているそうです。一日に3ホールのケーキを作っているそうです。一人暮らしでは食べきれないので毎日毎日捨てているそうです、なんともったいないことだ、世の中にはケーキを食べたことがないまま死んでいく人が沢山いるというのに。そんな人々のためにユニセフは謎のダイレクトメールをせっせせっせと世界中の人に送りつけているというのに。 っちゅうことで、こないだから泊まりに来てる友人と一緒にケーキをもらいに行ってきました。昔ながらのショコラのパウンドケーキ、ワインをきかせたチョコクリームケーキ、そして様々なベリーがならんだショートケーキ。それぞれ異なった特徴を持つ3種のケーキがテーブルの上に鎮座ましましています。「ケーキ食べ放題」とは正にこのこと。食べて食べて食べまくりました。リッツのケーキだけあって、上品でしっかりした味です。そういえばこちらにはケーキ食べ放題ってありませんねえ、まぁ、ここの国の人の胃袋は底なしだから商売にならなそうですな。



1月27日(土)
中華街の正月パレードに行ってきました。13区の大通りは大賑わい、かわゆいパリジェンヌが目を血走らせながら道ばたで投げられている蜜柑を拾いまくり、アラブ人の群れは偽物のぴかちゅう風船や偽物の黒鼠風船など売り歩いており、黒人は鳴り響く銅鑼に合わせて踊りまくっております、これがいわゆる「人種のるつぼ」というやつなんでしょうか。しかし実際に「坩堝」を見たことがない私がこの状況をるつぼと呼ぶ資格があるのかしら、とにかくワールドワイドっす。
香港の正月と同じように、フランスでも中華街では爆竹が鳴り響き、モーニング娘。の衣裳のような高いのか安いのか見極めに困る服を身に纏った男女が旗を持って踊りまくり、龍や仏像も舞い踊り、紙吹雪はあちらこちらを漂いまくり、まさに中国の正月。しかし龍の下で棒を支えている人の多くはアラブ人と黒人というのがフランスっぽい。中国系の会社や商店で働く人が(どうやら子供会や商店単位でパレードに参加するみたいだ)駆り出されているんでしょう。様々な人種を異国で取りまとめる中国人。そして自分たちの文化を大切にもする中国人。そのパワーには本当に敬服致します。正月ってハッピーでよいですね。



1月26日(金)
こないだまで同じ学校に通っていた友達がまたフランスにひょっこり戻って来たのでみんなでお食事会。彼女の希望で食事場所はプラネット・ハリウッド・パリ店になりました。ハリウッドの映画スターの張りぼてとたいしてヒットしなかった映画のビデオがエンドレスで流れるという、ハードロックカフェをパクって経営者だけ有名にした感じの店です。日本でも行ったことなかったのでなかなか新鮮っす。ラッキーなことにハッピーアワーでアルコール半額でした。フランスの人々は夕食を食べるのが遅いので、ハッピーアワーが終わる時間も日本よりちょっと遅めに設定されております。なので、日本人的感覚で待ち合わせ&夕ご飯の時間を設定すると、行列を作ることもないし、レストランも空いているしでなかなか快適であります。しかし、そんなに外食をしない(できない)ので私はあまり恩恵にあずかることができないのですが・・・



1月25日(木)
コルシカ島の人たちが怒っているそうなんです。特に怒りん坊さん達の集団が大都市でテロを2月1日から行うと予告しているんですよ、参ったなあ&困ったなあ。
生まれて初めてフランスに行ったときもテロ花ざかりの都パリって感じな時でした。行く先々でパスポートチェック&荷物検査をさせられ、どこもかしこももの凄い行列。車は渋滞だし、ゴミ箱はなくなっちゃうしで面倒くさいことこの上ない日々でした。今回もそうなるのかなあ。
そうなると困るのが身分証明書。学生ビザや労働ビザと違って、ワーキングホリデービザは「滞在許可証込」という特殊なビザです。小切手を切るときや、郵便局で小包を受け取る時、長期ビザを取得している人は滞在許可証を係の人に見せます。しかしワーキングホリデービザでこっちに来た人は、いちいちパスポートを見せなくてはなりません、だってその他に身分を証明する公的な書類がないんですもの。今までは、必要なときだけパスポートを持ち歩いていればよかったのですが問題はこれから。2月になったら、きっとあちらこちらで職務質問がはじまり、ルーブルやオルセーなどの沢山人が集まるところでは身分チェック必須となるはずです。その時のために常にパスポートを携帯しておかねばなりません。はあ、面倒くさい。スリに狙われやすい私はとにかくパスポートを持って外に出たくないのです。パスポートを盗られてしまったら、中に入っているビザもなくなってしまうわけですし、つまり滞在許可証もなくなってしまうわけです。もう考えただけで鬱になっちゃう悲惨な状況。
スリに遭わなければいいだけの話なのですが、何故か私のフェロモンは男ではなくスリ(しかも子供)にのみ反応するようなのです。この頃では50m先の子供達でも瞬時にしてスリの子供とそうでない子供の区別がつくようになりました。アンファン・テリブルから私のパスポートを守らなければ。っつうか、テロに遭遇して、体がぐちゃぐちゃになって、そんでもって持っていたパスポートも粉々になってしまったら、いったい誰が私を私だと確認してくれるのかしらん、心配だぁなあ。



1月24日(水)
以前のクラスの友人達とウナギを食べに。待ち合わせ場所のルーブル逆ピラミッドの前には、欧州最大の無印良品。あいや〜落ち着きます。ごてごてした家具や建物に囲まれて過ごしていると、見慣れていた無印なのにもの凄く新鮮に感じます、というか無印がおしゃれアイテムにさえも見えてきます。ユニクロがこっちに来たらきっと思わず開店前から並んでしまうでしょう、「ユニクロ最高!」とかタトゥー彫っちゃうかもしれませんよ、今から非常に心配になっています。
さて何カ月ぶりかのウナギ、美味しいねえ。山椒の香りを久しぶりに嗅ぎました。この頃香りの重要性をとみに感じております。山椒や醤油や緑茶など、日本の香りは一瞬嗅いだだけであっという間に思い出の中にトリップできます。味覚はだいぶフランス化してきたような気がしますが、嗅覚はまだまだ日本バージョン。日本食レストランには日本食を食べるためというより、日本の香りを嗅ぐために通っているのかもしれません。焼きそばは余り食べたくないのですが、ソースの焦げる香りを懐かしく思う今日この頃です。



1月23日(火)
学校で「今日はアジアの人たちは旧正月だよ」と言ってみたら、クラスメートたちからボナネボナネと暖かく祝われてしもうた。説明の仕方を間違えちゃったヨイ、つーか私もアジアの人だっのですなあ、脳に血液が回っていない発言でした、反省。
クラスメート達は今年が巳年だと知ると残念そうにため息ついてました。竜は当たりで蛇はハズレなのか?わからんのう。中国人の人たちは元気、パリでも中華レストランは正月のディスプレイで華やかで、他のアジア諸国のお店も同じように楽しそう。欧米に住んでいる旧正月の習慣がある人たちは、一ヶ月に2回も正月気分が味わえてうらやましいよねえ。そういえばどんど焼きとか懐かしくなってきた。ダイオキシン問題で取りやめになっている地域が続出しているそうですが、なるべくなら来世紀あたりまで続いていてほしい習慣です。だんごおいしいし。



1月22日(月)
いっつも不平不満をぐつぶつぶつぶつぶつぶつ口にしながらボランティア先で家畜の如く働いていたら、社長さんば「んじゃ、バナー取ってきたら歩合で給料やる」と言ってきました。歩合・・・ぶ・あ・い・・B U A I っすか。営業っすか。飛び込みっすか。足りない私の中で飛び込み営業&給料歩合というキーワードで出てくるのは中央出版と光通信。もちろん私は営業なんてやったことないのです。OLトークも満足に出来ないというのにそんな仕事が務まるのでしょうか。。。 なんだか胃が痛くなってきました。



1月21日(日)
たこ焼きパーテーでたこ焼きを食べ過ぎて沈没。気がついたら他人の家で次の日を迎えてしまいました。ふだんは酒飲んでもあんまり眠くなんないんだけどなあ、年なのかなあ。
午後から友人の働くデザイナーさんのアトリエにて春夏ものの試着&予約。みなさまお忙しそうで、なんと既に来年の秋冬物の制作(サロン用)に取りかかっているそうです。そんでもって一段落したらお店に納品する今年の春夏物を作るそうです。その後また来年の春夏ものをデザインしてから今年の秋冬物(販売用)の制作・・・ファッション業界は目まぐるしくて混乱しますな。前伺った時よりも、彼女たちのブランドを取り扱う店がパリでも日本でも増えてきたそうです。素晴らしいことです、売り上げの向上にちょいと貢献。できあがりが楽しみ。
その後マレ地区のユダヤレストランにファラフェルを食べに。ファラフェルはひよこ豆をすりつぶして団子にして油で揚げたイスラエルの食べ物。食べた感じはおからコロッケをエスニックにしたと言えばよろしいでしょうか。こっちに来て覚えたおいしいものの一つです。ファラフェルが美味しいからほかのイスラエル料理もうまいだろう、ということで見たことのない単語の食べ物を選んでみたのですが・・・ 日本まで情報が入ってこないということの意味をよーくよーく考えてみた一瞬でした。料理を泣きながら食べたのって小学校の給食以来かもしれません。ファラフェルは激ウマだったのになあ・・・ ぅぅ。


←last   next →
↓top