にっき
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2月10日(土) リヨン
友人を訪ねてリヨンへ。リヨンは横浜の姉妹都市、仲が良いのでこんな店もあるほどです。前日にSNCF(フランスの国鉄)のヤング用割引カードを購入、このカードとヤング割引をプラスすると、SNCFの全ての車両が最大で50%割引になったりします、若輩者と失業者に優しい国って素晴らしいですね。んでもってTGVの予約をしたのですが・・・ あらあら、バカンス中(ただいま冬休みまっただ中)の週末ゆえなかなか切符が取れません。土曜の午後にはリヨン入りしてゆったり観光と洒落込みたかったのになあ、粘りに粘ったものの夕方の切符しか取れませんでした。しょぼん。
し・か・も 余裕を持って出かけたはずの土曜日の午後、リヨン駅に向かう途中の1番線がなんといきなり急停車。そのまんま約20分ほど足止め食らってしまいました、んでもってリヨン駅に着いたときには電車は走り去った後で・・・・ すぐに別のTGVを手配したのですが、込み合っておりまして取れた切符が2時間後のもの!リヨンの友人には夜見に行くはずだったオペラ座のチケットをキャンセルしてもらったり、夜の予定を変えてもらったり、とめちゃくちゃ迷惑かけてしまいました。ああああああすいません。同じ市内なのに、1時間も前に出たというのに、いったいなんなんだこの国は。
んで、夜遅くにリヨンに到着。駅からバスで友人宅へ。リヨンの名所旧跡は夜はライトアップされておりまして素敵。ゆったりとした静かな街の中心を太い河が流れ、坂の上には明るく照らされたフィルヴィエールが。静かでのんびりとしていてなかなか上品な街でございます。それでいて暖かく家庭的な雰囲気を持っている街でもあって、なかなか気に入りました。友人宅(めっちゃきれい!)ではリヨン名物の「クネル」というはんぺんと蒲鉾を足して二で割ってそんでもってソースをかけたものをごちそうになりました、なかなか面白い食べ物です。さてさて、明日こそは沢山観光にいかなくては、とは思うものの、なんだか積もる話が長引いて長引いて就寝時間はかなーり遅めに。明日は観光できるのかしら。



2月9日(金)
いつものように学校に遅刻して、いつものようにおずおずと椅子に座ったその瞬間、隣の席の女の子の目から涙があふれ出してきました。そして、みんなが見ているというのに大声でしゃくり上げはじめ、そんでもって泣き叫びながら教室を飛び出ていきました。みんなびっくり。先生も心配して彼女を追いかけて教室から出て行っちゃうし、なにがなんだかさっぱりわかりません。もしかして私のせいですか?もしかして私の体臭が耐えられないほどきついとかですか?もしかして私って場チーズの食べ過ぎで腋臭になってしまっていたとかですか? さりげなく自分の体の臭いを嗅いでみたりするのですが、もし私のせいで彼女が半狂乱になっていたとしたら、私ってばなんと失礼なやつなのでしょう。つーかめっちゃへこむなあ。
しかし、彼女の涙はそんな下らないものではありませんでした。大好きな叔父さんがお亡くなりになって、そんでもって仕事が忙しくてお葬式に出ることが出来ず、悲しくなって泣いてしまったということでした。そんな深刻な話だというのに自分ったら、自分と自分の脇の下のことばかり考えていて彼女のことをこれっぽっちも思いやってやれませんでした。一番年長さんだというのになんと心が狭いことでしょう。久々の自己嫌悪です、こっちの方が凹みます。
んで、先生が私に「彼女が楽しくするような話をしてくれや」とか振ってきたので焦燥。とりあえずお菓子の話とかしておけば十代の女の子は喜ぶだろうというオヤジ的発想で「ラデュレのマカロンはうまい」というお話をしてみたのですが、まず「マカロン」の発音がうまく出来ず、そして「マカロンって何?」という質問に答えられず、んでもって「ラデュレ」という店すらもうまく言えず、さらにさらに自己嫌悪に陥りました。発音の難しいお菓子は食べたくないです。



2月8日(木)
映画の国ということだけあって、この国のテレビは夜の番組は殆どが映画です。そんでもって私が帰宅する時間には、どのチャンネルも映画が始まっておるのです。途中から見る映画ほどつまらないものはありません。なんだかなあ、全ての映画が吹き替えちゅうのもねえ、よくわからなくて困ったもんだよ。
なので、このごろ夜はFMばかり聴くようになりました。お気に入りはoui fm。いわゆるインディーものがよくかかります。古いのも新しいのもUKのUSもいろいろ聴けて、そんでもって夜中はDJのおしゃべりがほとんどなく、ずーっと曲ばっかり流し続けてくれるのです。曲名が分からなくても、HP上で流れている曲をリアルタイムでリポートしてくれてるので、あとでCD買いに行くのにも便利です。M6の深夜のPV時間がたいしたことない日(どうやら日によって流れるPVのテーマが決まっているらしい)とか、特に昼間のは「ミュージカルもの」が大暴れしている時間にはとても重宝しております。こういう局が日本にもあるとよいですね。



2月7日(水)
フランスでは水曜日は学校が休みであります、なので朝からアニメばっかり。そのなかでもこの間からはじまった CHASSEUSE DE CARTES SAKURA(CCさくら)」から目が離せません。はじめてこのアニメをフランスでみたとき、なぜに昼間から遊人が?フランスの親御さん達はぬぷぬぷっとかたっぷんたっぷんとかどうしようもない擬音を子供に聞かせてなんとも思わないの?と的はずれなことを思ったものでしたよ。暇つぶしに何回か見てみたのですが、おめめがおっきくてきゃぴきゃぴしたさくらたん以外の登場人物が全員外人の名前というのが素敵。また、着物に似た服を来たおばさん(神経質で冷え性)が電波混じりで歌うオープニングテーマもエキセントリックで素敵。そのおばさんの周りで踊るルーズソックスと紺のスカートを履いた女軍団も病院行き一歩手前で素敵、耳がくさりそうなぐらいのユーロビートも何百回か聞いてやっと無意識のうちに口ずさんじゃうくらい素敵。とにかく素敵に無敵な夢いっぱいのジャパニーズアニメです。こりゃフランスの大きなお友達も小さなお友達も拍手喝采で迎えてくれるでしょう。これからさくらたんのコスプレをはじめるパリジェンヌとかが出てきて、さくらたんの抱き枕をつくったオタク軍団のお泊まり会があって、とにかく夢一杯のさくらブームがやってくるでしょう、楽しみだなあ。日本のファンサイトにある掲示板の小中学生のおともだち用の注意書きが危惧する事件とかも起きるんだろうなあ、うへぇ、萎え萎え。



2月6日(火)
職場で「するめ」をいただきました。フランスには乾物系がないので(もしかしたらあるのかもしれませんが)、久々の干物はありがたいものです。沢山もらって袋につめて、いつもの肩掛け鞄に放り込んで帰宅、いつもの変化のない日常です、今日はするめと一緒に白ワインでも飲んでみようかな・・・「フランスにいても、日本を忘れず☆だけど小粋に」生きる自分を演出するつもりだったのですがそうはいかなかった!どういうわけだか今日の夜に限って声をかけられる回数が異常なほどに多いのです。地下鉄のホームで、バス停で、道ばたで、様々な殿方に!今宵は一生に一度のモテ日なのか?顔になにかついている?スカートのチャックが開いている?背中に変な張り紙が?悩みに悩んで今日のモテの原因はするめのスメルにあるという結論に至りました。肩掛け鞄に入れたするめ、腰骨の当たりにあるするめ、全てはこのするめがフェロモンの役割をしているのです、そうとしか考えられません。だってそれ以外に変わったところはないんですもの。つまりイカ臭いとフランスではモテるのです。イカ臭い女はフランスではイケてるのです。イカ臭い女がパリジェンヌ中のパリジェンヌなのです。本能の赴くままに生きている彼らの嗅覚は犬並み。いや犬以上。いかすパリジャンをgetするなら体全体からイカ臭さを発していればよいのです。なんといやな世の中なのでしょう。
イカの匂いの香水とかきっとバカ売れするはず。そんでもって、その香水つけてないのに「あ、イカの香水つけてるでしょ!?」とか言われて傷つく人が続出するはず。そんでもってその中の一人に私がいたとしたら・・・・・・・・想像しただけでおぞましい未来だ。



2月5日(月)
みんなが取材にいってしまったので留守番することになりました。フランス人から電話がかかってきた時のために、あらかじめマニュアルを作っていただいたのですが、、、実践ではそんなもん全く役にたたねえ。。。
「はいー もしもしー」
「ぺらぺーら ぺらぺーら」
「あ、、、(紙に書いたのを読み上げて)すいません、誰も今いないので後でお掛け直し下さい」
「あ、じゃ、メモ残して。えっとね、取引額は〜〜〜〜〜〜〜」
「(聞き取れない!)え、あ、あの、その、えっと・・・・・」
「分かった?」
「(かけ直せって言っただろうが!)ぱるどん・じゅぬこんぷろんぱ、わかんないってば」
「誰もいないの?」
「(最初に言ったのに)。。え・あ・・・・・・・・あ、あの、プロヴァンスの事務所にフランス人がいるからそっちかけて下さい、がちゃん。」
はぁ、パリにかかってきた電話なのに無理矢理南仏までまわしてしもうた。日本語だったらなんとか応対できるんだけどなあ。会話ができない=フランスで初歩的な仕事もこなせない。 だものなあ。基本的なことなんだけどねえ、困った。



2月4日(日)
この頃なぜかフェニックスがラジオやテレビでヘビロテであります。日本では夏にぽっと火がついてそのまま少しずつ沈静化、来日してちょっと盛り返し(来日時の状況は日本にいなかったので推測です)という感じなのに、フランスでは今頃になってじわじわがんがん人気が出ています。パリに来たばかりの頃レコード屋さんでタヒチやフェニックスはどんなもんだか調べに行って、両方とも全然売って無くて「なぁんだ、やっぱりたいしたことないんだ、クロード・チアリといっしょで日本でのみ有名なんだ」って思っていたのが嘘のよう。ラジオをつけていると一時間に一回は流れています。まったく不思議な売れ方をする国です。何回も何回も聴いていると、安っぽい80年サウンドが21世紀に相応しい音楽に思えてくるから素敵です。知らない間に口ずさんだりしているから不思議です。思わず涙ぐんだりしちゃってるから手に負えません。そういえば、未だにレッチリの「カリフォルニケーション」が一日に5回くらい流れています、もっと流すべき新しい曲はあるだろうに・・・ まったくもって不思議な国であります。



2月3日(土)
前のクラスの友人達を自宅に招いてお食事。このところ忙しいのを口実にして手を抜いた料理ばかり作っていたので、食べ物の作り方を忘れてしまっていたよ。やっぱり言葉と一緒で少しずつ毎日毎日やっていかないとダメなのですね。新しいレパートリーも習得できず、昼間もちょこっと仕事場に行かねばならずということで、申し訳ないと重いながらもみんなに一品ずつ持ち寄ってもらうことに。私が出すのはいつものように角煮やサラダやチーズなど、手の掛からないものばかり。はぁすいません。
んで、みんないろいろ持ってきて戴いたなかで、目が飛び出るほど美味しかったのがラファイエット・グルメの「しぼりたてオレンジジュース」! ギャラリー・ラファイエットというデパートの一番上の階には「ラファイエット・グルメ」という紀ノ国屋と成城石井と明治屋を合体させたような高級グルメ店があるのですが、そこで売られているオレンジジュースの美味しいこと美味しいこと。注文を受けてからその場で絞り出すそうです。ミニッツメイドとは味も香りも何もかもが違います。やはり地中海沿岸の取れたてオレンジはひと味違うのですねえ。今までのオレンジジュースに対する価値観がひっくり返った感じです。



2月2日(金)
本日からweb制作の他に事務仕事もすることになりました。office2001って、、、なんですかこりゃ。とにかく非常に使い勝手が悪い。さすがマイクロソフト社製品ですね、特にエクセルの使いにくさときたら超一流。超強力なハイパーリンクがメールアドレスにまでくっついてきちゃうんです。ちょっとでもそのセルをさわったら。んもう、あっという間にメーラーが立ち上がっちゃうんです。世の中の人がそんなに沢山メール書くわけないじゃん、必要ないよこんな機能。
と、泣きながらエクセルで帳簿つけて、そんでページ作ってと一日中コンピュータの前。頭がこんがらがりそう。


2月1日(木)
マニフェスタシオン。朝からかなーり本格的なストライキです。殆どのメトロは運休ないし30分〜40分に一本の運行。バスもあまり来ないし交通渋滞だし、パリは一日中交通麻痺。せっかく営業用にいっちょううらを着て、30分かけて職場に赴いたてみたら「先方が会社に来られないので今日のアポは中止」とのこと。むなしい、むなしすぎる。200年前にご先祖様が革命に成功したからといって、21世紀にもなっても奴らは同じ方法で要求が通ると思っていやがる。かかとの高い靴をはいて、よろけそうになりながら職場まで歩いていったおれさまのやりきれない気持ちはいったいどこへ持っていけばいいというの?。
と、ぶつぶつ文句を言っていたらお呼びがかかった。どうやら今日から正式に雇われることになったらしい。わーい。



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