にっき
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3月20日(火)
あんまりにも天気がよいもので、あんまりにも素晴らしい青空なので、突然「仕事嫌だ嫌だ病」の発作に襲われ仕事を続けることが困難になってしまいました。申し訳有りませんが早退させていただきます。大変申し訳ありません。
んで、帰りがけに本日発売のLes inrockuptibles(ロキオン社全部の雑誌を合体させて週刊化させたような雑誌) をふと見てみたら、表紙がスーツをやめてTシャツになってるディヴァイン・コメディーのボーカルで、そんでもって表紙のロケ地は先日訪れた草間彌生展の会場でありました。三田村邦彦とポルノグラフィティの充血ボーカルを足して2で割ってやる気を失わせたようなボーカルのニール君の後ろにカラフルな水玉が踊っています。なんかかわゆいので即買い。彼らの新曲、ここんとこoui-fmでは一時間に一回は必ず流れております。あの最初はだるーく歌って、しかしサビになると尾崎紀世彦なみに高らかに熱唱しちゃうとこが人気の秘密なのかしら。
帰宅後インタビューを眺めていたら(読めないので眺めるだけ)草間展の電飾&鏡張りの部屋や、銀色の玉コーナーでの写真も発見、こないだいったばかりなのに印刷されたものをみると、どこにもない幻想世界のような感じ。この空気が素晴らしいのですよねえ。
そして今日は日本では春分の日。そうだ、もうすぐ夏なんだなあ。



3月19日(月)
朝起きてメールダウンロードしてみたら友人からsubject「友危篤、至急連絡乞う!」とかいうメール、本文には「とにかくすぐに連絡下さい」とのみ書かれている、全身の血の気が引く。時差を計算するとまだその知人は会社にいるはずだし、日本の携帯の電話番号は置いてきてしまったので、とにかく自分の会社の連絡先や携帯の番号などをメールで飛ばし、不安な気持ちを抱えながら会社へ向かう。会社でも許可をもらってジャポカルト(アメリカかどっかの回線を経由して、日本まで安く電話をかけられる仕組み。お金を先払いしてカードを買い、カードに書かれた番号を打ち込むことによって、払ったお金の分の電話をかけることができる)経由で友人宅へ電話、夜なのに出ない。不安。どうしていないのだろう・・・ とにかく、その友人が私の所にメールを飛ばすということは、その人と私との間の共通の友人に何かが怒っているわけで、そんでもってその共通の友人とは誰なんだろう、、、、不安になって共通の友人をリストアップしていたら老若男女合わせて50人以上超してしまった、10年以上つき合いがあると膨らむもんだなあ・・・ってしみじみしてる場合じゃないよっ そのうち殺しても死なない人をリストから引いてみる。それでも約10人ぐらいいるし・・・ 日系の航空会社に電話して、ここ一週間の日本行きの空席状況を教えていただくが、春休みまっただ中ですぐに帰国するのはなかなか難しい状況。時差ってもどかしいなあ。
んで、会社から帰って日本が朝になるのを待つ。なんか不安なのでビールがすすむすすむ、ああいい気分になってきたヨ。うん、いい気分ダヨ。へへへへへ。ってな感じで気が付いていたら寝てしまって、起きたら深夜!つまり日本は昼!やばっ たいへんっ どうしよっ あ、そだ。日本は祝日やん! ってな訳で電話。そしたら・・・

「ああ、メールが通じるかどうか実験したの、びっくりさせてごめんごめん。GWにそっちいくからさあ、よろしくー」

と。                ・・・あいた口が塞がらないとはまさにこのこと。本気で心配したのに・・・ もう呆れてしまって怒るどころではありません、全くねえ、はぁ、、、、ふぅ、、、 あ、そういや今日で渡仏半年目だ。あと半分だ。そんな記念すべき日がこんな気分とはねえ。まったくねえ。



3月18日(日)
早朝から雨、友人とシャルトルまで大聖堂を見に行く予定だったのですが、こんな雨じゃ世界遺産のステンドグラスも薄暗いや、ってなことで急遽中止。なぜかこじゃれ路線に変更、ラデュレのサロン・ド・テでマカロンをば食べることと相成りました。シャンゼリゼのラデュレのサロンは、円山町とかにありそうな感じのうっとり系の内装。店員さんの服装も上品な感じで幻想世界に浸れます。ここのココアは思いっきりカカオの原液な感じでドロドロとしており、そしてびっくりするぐらい甘いのですが(ココアを頼むと水がついてくる)、後味がすっきりしており飲んだ後は爽やか気分という理想的なココアです。やっぱマカロン超うま。
その後、リニューアルオープンしたギメ美術館へ。ありとあらゆるアジアの仏教美術が一堂に会する楽しい美術館。約5年ぶりの訪問だったのですが雰囲気変わってなくてよかったです。やはり各国で仏様のお顔立ちやら色合いやらは違ってくるのですねえ。タイ仏にいい男が揃っております。
帰りにヴァージン寄ったら、林家ダフトさんパンクさんのディスカヴァリー日本盤が大量入荷されていた。実際に見ると・・・なんだかなあ。裏面には爆死して機会の体を手に入れたダフトさんとパンクさんとレイジはん(not against the machine)のにっこり3ショットが。なんだかなあ、レイジはんはふくよかな水島新司のようだ。

本日はTHE SLOW-MOTION というバンドのWORLD OF SNOWPONYというのを聴いてみる。元マイブラの人と元ステレオラブの人がつくったバンド。98年のものだそうで。時々フランス語で歌っているのはステレオラブの影響かな?ほんとマイブラとステレオラブを足して2で割ってちょっと軽めにした感じ。素敵。



3月17日(土)
日仏文化会館にて草間彌生展見に行く。そういえば現在使っているオレMac(二代目)はヤヨイちゃんという名前なのでして、それは彼女の名前から戴いたのです。物に名前つけてるって頭のおかしい人がやることですね、分かってはいるのですが、ときどきやらかす暴走っぷりと制御不能っぷりが、なんとなく草間さんとダブって見えたもので・・・ ちなみに初代オレMac(PPC 7600/200)はタマラちゃんといいまして、それはタマラ・ド・レンピッカから戴きました(ヒステリーがひどいので)。
この展覧会はどうやらフランス中のメディアが注目しているらしく、こないだはフィガロに紹介されておりました。そのためか入場券売り場は長蛇の列。5月までやるっていうのにこの盛況っぷりはすごいもんです。展示はオール新作でハッピーに満ちあふれた作品ばかり。その幸せっぷりときたら以前の彼女について少しでも知識がある人だったら違和感を覚えるくらいのほどです。巨大な水玉模様のお部屋や、床に水が張ってあって壁や天井全てが鏡張りの部屋、そしてそこに灯されたキラキラした電飾。彼女の細胞がハッピーだらけの色と光が束になって押し寄せてくるのです、んー ハッピーハッピー。
だけれども、だけれども本当にこれでいいのか?こんなにもハッピーすぎていいのか?もう彼女はいろいろな恐怖を克服してしまえたのか?あんまりにもキラキラしすぎて、あんまりにもかわいらしすぎて、かえって不安になってしまいます。これはこれで素晴らしいんだけども、、、恐怖病は治ったのかしら?外国人むけにあえて隠してみたのかしら?「Gu-Guガンモ」というマンガで、ガンモが最終回直前にある日突然、高所恐怖症が治ってしまったのを思い出してしまいました。高所恐怖症が治ったガンモは半平太くんたちお別れすることになってしまうのですが、、、 まあ、人がハッピーなのを見てあれこれ心配するもの野暮なものなので、これはこれでいいのだ。とにかく素敵な展示なのでした。



3月16日(金)
音楽好きの方のお宅に伺ってCD聴き大会。いまいちフランスの音楽シーンが分かっていないので、いろいろレクチャーしてもらって、そんでもって私が日本から持ってきたCDとかもかける、という感じでCDかけまくりききまくりです。伺ったお宅の人は最後に日本に帰ったのが2年前とのことで、広末涼子ブーム以降の日本の芸能界及び音楽シーンについてほとんど知識がありません。なので、コージーとか、いっこく堂とか言っても通じないし、ボキャ天とかオンエアバトルやTBSの感謝祭などまるっきりご存じないわけです。つぶやきシローとかいうのがいて、人気が出て、セキララとかいうユニット組んで、そして消えていったことも勿論しらないわけです。まあ、知らなくても生きていける(むしろ生きていくのに邪魔な)知識なんですけども。そういう知識だけで生きている自分は何なんでしょう、まあいいや。
んで、もちろん広末涼子ブーム以降の日本を知らないということで林檎ちゃんすらも知らないわけです。「無罪モラトリアム」とか見せても「え、、、『ここでキスして。』だって。これって『Maji でKoiする5秒前』並みに恥ずかしいタイトルだけども・・・」ときく前に引かれてしまいました。そういや、林檎ちゃんが出てきた頃、そんなツッコミがいろいろな所でされていたなあ、今の日本で素でこういうコメントをする人はそういませんですのでとても新鮮です。そう、自分もいつまでも無駄な先入観と無駄なまめ知識に振り回されることなく、いろいろな物事に接していきたいと思う今日この頃です。
んでもって、結構沢山CD借りてきました。これでしばらく楽しめそうです。


3月15日(木)
ということで、ディスカバリーは後回しになってしまいまして、本日になって漸く聞き始めました。なるほど温故知新っていうのはこういうときに使うのですな。郊外のショッピングセンターのBGMに最適な感じ、靴下売り場とかで聞けそうな感じ、けれどもクラブでかけても盛り上がる感じ。ベタベタなのに新しくて、幸せな曲ばかりなのに時々不安にさせられて、丸っこいのにとんがっている、面白いなあ。いい曲とかいい音楽、と感じることより、まず最初に面白いと思いました。久々にワクワクします、このCDだけじゃなくて、このアルバム以降から何か新しいことが始まる気がします。大げさかもしれないけどそんな予感がするのです。ユーロじゃないし、ダフトさん達は新しいアルバムだすしで、いい時期にフランスに来ることができてよかったよかった。
つか、ダフトクラブはMACユーザー入会拒否っすか、ふざけんな。



3月14日(水)
せっかく欲しかったダフトパンクだったのに、一緒に買ったエッフェル「ABRICOTINE」に夢中。PVで見ていた曲だけでなく、全ての曲が思っていたよりも遙かにええです、ええですがな、ほんともうステキすぎる。
お気に入りの理由は

・ピクシーズ好き(バンド名はAlec Eiffelから)
・轟音ギター且つ泣けるメロディ
・ギターが女の子
・Jマスシスのフロントアクトとかなにげにつとめていたりしてる。

ってな感じだからでしょうか。なんかどっかで聞いたことがある設定ですね。別に似ているから聞いている訳ではないのですが、あまりにも偶然の一致が多くてちょっとドキドキクラクラしてしまいます。eiffelの方がセンチメンタル度が高くて甘ったる過ぎって感じもしますかね。バイン好きとかトライセラ好きの人が轟音はじめました、ってな感じもちょこっとしてて、そこが母性本能くすぐりロックでもあります。
そんでもって更にお気に入りの点は

・タヒチやフェニックスと違ってフランス語で歌ってくれてる(→勉強になる)
・ギターの女の子が歌ってる曲が少しある(→マイブラみたい)
・「ぼくはくたばりたくない」とかやっちゃってる

ってなとこですかね。日本でも少しは人気出そうな感じです。タヒチ、フェニックスに続いて日本でも火がついてほしいもんです。エレクトロとヒップホップの国でもあるところにはあるのですね。



3月13日(火)
学校で「日本について」の15分間のスピーチ。15分間も話すことなんて見つからないよ、とりあえず「日本の食べ物」「日本の文字」「日本の文化」の3本立てで攻めてみました。
「日本の食べ物」…海草について。もちろんフランスでは海草を食べることはありません、なので海草が食べることができる、というだけで生徒の皆様驚き。わかめや昆布、海苔などいろいろな種類があって、そして栄養満点、美容に最適!ってなことでギャルの皆様更にびっくり。こんなんで驚くなんてやっぱり日本ってまだまだ知られていないのですね。場を暖めるにはもってこいの話題でした。
「日本の文字」…中国語と何が違うのかを説明するのは本当に難しいっすね。文字が3種類あることだけで生徒の皆様驚き。一つは中国から来て、それを発展させて二種類の文字をつくりましたよ、小学生のあいだに何百もの感じを覚えなくてはなりませんよ、ってなことでギャルの皆様更にびっくり。まあ、中学高校で更に更に覚えなくてはならないのですがねえ、まぁいいや。いい感じで盛り上がってきたのでこのまま質問タイムに突入させたかったのですが、まだ5分も時間があるよ。
「日本の文化」…子育てガールばかりなのでポケモンの話でもしようかと思ったのですが、せっかくのダフトパンク新アルバムブーム、ということで「日本における松本零士の位置づけ」とかいう、かなりどうでもいいことについてお話することにしました。ここんとこフランスには松本零士=ポップでキッチュでクールでキュートなアーチスト、ってなことにされつつあります。別にそれでもいいんですが、やっぱねえ。ってことで「あの人そんなにクールじゃないですよ」「人気はあるけど最先端じゃないですよ」「ダフトさんもパンクさんも何か勘違いしていらっしゃいますよ」ってな感じのことを淡々と話し続けてみたのですが・・・ やっぱあんまし受けなかったよ・・・ みんなロビー・ウィリアムスとかジェニファー・ロペスとか大好きなんだもんね、しょうがないよね、てゆかマンガに対してそんなに思い入れないんだよね、しょぼん。

そんでもって15分間のスピーチが終わって、日本に対する質問コーナー。日本に関する素朴な疑問に頑張ってお答えするコーナーです。さて、寄せられた質問は、、、

「日本って犬を食べるらしいけど、猫は食べないの?」
「日本は毎朝天安門広場で太極拳をするそうだけど、やってみせてよ」
「日本でもバックストリートボーイズは人気なの?」

とかそんなんばっかり!おいらのスピーチは聞けや、ゴルァ!と心の底から思ったのですが、東洋の神秘的な笑みを浮かべながらお答えいたしました。やっぱアジアって知名度低いんだなあ。。。
んで学校帰りに漸くディスカバリー購入、ついでに前々から気になっていたエッフェルのアルバムの購入。やっぱりCDウォークマン買おうかな。



3月12日(月)
社長はんが奥さんと一緒に遊園地に行ってしまったため会社には私とデザイナーさんしかおりません。いわゆるひとつの留守番です。今日のお仕事は全て私が処理しなくてはなりません、何も出来ないのに・・・早めにかえって、本日発売のダフトパンクの新しいやつ買いに行きたかったのになあ。先に発売されている日本の評判は今のところ悪くないようで(ジャケに抵抗がある人がおおいみたいだね)、ダフトクラブとかいう謎の組織も気になるところ。ダフトクラブ石鹸とかあるのかな? とにかくここ2〜3ヶ月のフランスにおけるダフトパンク新アルバムに対する期待と熱気と宣伝のお金のかけ方の凄まじいことといったら。M6午前中のビデオクリップの時間は毎日のように新旧織り交ぜたダフトパンクPVが必ずのようにかかり、いろいろな雑誌には宇宙刑事のようなダフトさんとパンクさんのアーティスト写真。フランス国民全体がこよなく愛せる音楽という訳でもないのに・・・ フランスのエレクトロ信仰はどこから来ているのでしょう、とても謎です。



3月 11日(日)
Pales galeriaに「le coton et la mode」という展覧会を見に行く。その名のとおり古今東西さまざまなコットンが集められた綿の展覧会。17世紀あたりの貴族ギャルが着ていたと思われる寝間着に釘付け、かわいすぎる・・・ こんなかわいいパジャマ着てたら、そりゃロメオだって木に登ってベランダから不法侵入しちゃいますって、ハイウエスト万歳。昔の印度更紗も結構な数展示されておりまして、年代を経て神秘的。やっぱ綿っていいなあ。
その後お向かいのパリ市美にて「エコール・ド・パリ」展。この時代の、どんな人でもどんな様式でもどんな美術でも受け入れて、そんでもってひっくるめて「パリ風」って名乗らせちゃうパリの土壌というか懐の深さってすごいよなあ、と改めて思います。今のパリは外国人に非常に厳しく、特に芸術なんかやってる人の肩身の狭さったらありゃしない。古き良き時代と言ってしまえばそれまでなのですがね。キスリングの作品をまとめて見ることができて大満足、そして世紀を越えてフジタの髪型はやばいと再認識。


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